■貿易風の吹く島から〜カリブ海のヨットマンからの電子メール

佐野草介
(さの・そうすけ)


道産子。小学生の時、フランス人4人がヨットで世界1周する記録映画を見て、人生の針路を決定する。水上生活者として20余年。前半は地中海、後半はおもに大西洋とカリブ海で暮らす。現在はカリブの砂州、カージョ・オビスボにヨットを舫い棲家とする。


第27回:ガリフナ族のレジェンダ〜その1
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第30回:プエルトリコ交通事情
第31回:老人と海
第32回:ジェイミー
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第34回:ジム
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第36回: プエルトリコのヒロヒト
第37回: スピード狂時代
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Caribbean Sea Map


Puerto Rico Map

■更新予定日:毎週木曜日
第39回: ウンチクを傾けること

更新日2002/05/02 


アメリカの大手クルーズシップ会社「カーニバル」が、ゴミを海に捨てたとして3百万ドル(約3億6千万円)の罰金を課せられた。今やカリブ海はブームにのっているのだろう、豪華客船は大型化し2千人、3千人の客を乗せるのが当たり前になってきた。

夜セーリングしていると、水平線の向こうがボーっと明るくなるのを目にする。しばらくすると、クルーズシップが満艦光輝かして姿を現す。まるで、新宿の歌舞伎町が海に浮き、近づいて来たかのような派手派手しさだ。

私は俗に言う、船キチではないが、チャンスさえあれば様々な船、クラシックな木造船から、ウルトラモダンなレース艇、モーターボートも、トローラー、スポーツボート、世界の片隅で乗り継がれている土着のカヌーや帆掛け舟に乗ってきた。水に浮くものなら何でも試してみたいのだ。

しかし、あのクルーズシップだけは、足腰が立たなくなっても乗る気がしないと思う。あれはただの浮いているホテルだ。観光客は宿命的に、子供じみて、滑稽に見えるものだが、クルーズシップから吐き出される客は漫画じみてさえいるのだ。

恐らく一つ前の寄港地で買った派手なTシャツに短パン、白い靴下にナイキのジムシューズ、ツバの広い日除け帽子にサングラスといったユニフォームで、千人単位で船から降り、バスに乗り込み、4〜5時間で島を観て周り、また船に乗り込むのだ。白いユニフォームの集団が可愛らしいのは、小学校の運動会までだ。

我々の生活が便利になればなるだけ、必要とされる物資やエネルギーは多くなるし、排泄物も多くなる。大型クルーズシップの客2千人、クルー500人の排泄物たるや膨大な量になるし、台所から出るゴミもすざましい量だろう。

この大量の汚物は、アメリカの場合、領海30マイル離れた海へ捨てられる。生ゴミはまだよい、魚が食べてくれるし、分解期間も短いがペットボトル、アルミ缶、ビニールは100年単位で海をさまようことになるのだ。

人間、生きていれば、食べるし、食べた以上は出さなければならない。これは陸だろうが海だろうが同じことなのは分っているのだが、巨大なクルーズシップを見るたびに、膨大な糞尿はどこへ行くのかと考えざるを得ない。

 

 

第40回:二つのやりかた

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