■もう一つの世界との対話
〜谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ | |
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だからこそあなた様に、大切な卵を託したんじゃないですか どんな子供であっても子供には、卵と同じように、無限の可能性がございます 今申し上げましたように、私どもが、人間に卵を託しますのは これが初めてでございます、この結果がどうなるかは、もちろん誰にも分かりません このことが、私どもワニ族にとって、はたして凶となるか吉となるか 正直に申し上げて、私どもの間でも様々な意見がございました、ありましたが しかし最終的には、我々ワニ族の生活領域が崩壊の危機に直面している現在 それを打破する最大のキーポイントが、人間との共存であることが明白である現在 ここは思い切って、我々の卵を、我々の未来を、一度人間に託してみるべきではないか そこからなにか、我々の頭ではとうてい思い描けないような未来が広がらないと 果たして誰が言えましょう、つまり、あなた様に託した卵が やがて私どもワニ族の救世主となるかもしれないのです そんな一縷の望みを託しうるのは、どうかんがえても、子供以外にありません もちろん、せっかく託した卵が、単なる犠牲になってしまわないとは限りません しかし、どんなことにもリスクはつきものです
そしてこれは、リスクを負うに値する、ワニ族起死回生のプロジェクトです ただこうしたことは、いかに重要とはいえ、あくまでもわたくしどもの勝手な事情です 真っ白な卵には、そんなことはわかりません、わかりようもありません またあなた様にそのことを説明したのでは、あまりにも荷が重いでしょう そんな重荷をはじめから背負ってしまったのでは、育つ卵もまともには育ちません また、このようにお育て下さいと、はじめからお願いをするのは 育ててくれるあなた様にたいして余りにも失礼です しかも卵には、ひとつひとつ、それぞれの個性と可能性がございます それが育つ行く末を、あらかじめ、過去から今を生きる私どもが決めてしまったのでは せっかく卵を託す意味がございません、それにそのことがかえって 卵の可能性を狭めることにもなりかねません、ですからあえて全てを白紙で お託ししたのでございます、そうしてこその信頼、そうしてこその希望と信じて……
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話しを聞いているうちに、ぼくはだんだん、ワニが好きになってきた そしてどうなるか分からないけれど、この卵を、自分で育ててみようと思った
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