夕暮れの半月。
太陽の光が月の半分だけに当たっているのがよくわかる。
その光で、月のクレーターまでもが浮かび上がる。
夜の訪れを前にして秘密を暴かれてしまったかのような月。
月もまた星。
夜空に無数にある星も、私たちの地球もまた
宇宙に浮かぶさまざまな星の一つ。
けれど、地球と月との、あまりにも違う地表の姿。
緑と水に覆われた奇跡の星と、乾いた岩のかたまりのような月。
そんな月にまつわる多くの物語は、私たちの命が
水と緑と大気と光の揺り籠に育まれてきたおかげ。
月がなければ海の潮の満ち干や微妙な海水の流れが消える。
月との微妙なバランスの賜物の地軸の傾きがなければ四季もない。
もしかしたら、月がなければ無かったかもしれない私たちの命と美意識。