■鏡の向こうのつづれ織り 〜谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空
二 真一文字の大地の傷  1/2
更新日2007/05/17
 




飛行機の窓の下の冬のアラスカ
大地を切り裂き
どこまでもどこまでも一直線に延びる一本の道
そして眼下に現われる、もう一本の道
そして交差する二本の直線

もしかしたら地球は
巨大なハリボテであったのかとさえ思う
まるで絨毯の下手なつなぎ目のような交差

だが、もとより
そのような直線とは無縁なものとしてある河や森
広大な広がりをもつ大地は
その表情は
何億年、何十億年の自然の営みの顕あらわれ
そんな営みの対極にある
人の手によるまっすぐな線
そして途切れることなく広がる大地
大地の上を流れる曲がりくねった河
そんな大地の表情とは無関係に
奇妙な傷のように
どこまでも延びる一本の道
その細さに比して不気味なほど長く
果てしなく延びる一本の道
そこに刻みつけられた人間の意図

起点と終点
それらを最短距離でつなぐために引かれた直線にとって
その途中にある大地は存在しないに等しい




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