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■よりみち~編集後記
更新日2020/01/30




新年早々大変な事態になってきました。2019年12月31日にWHOに最初に報告された中国・武漢市が発生源と考えられる『新型コロナウィルス』が世界各地に拡散されている。当初は2019年12月に入って原因不明の重傷度の肺炎が武漢市の生鮮市場周辺で流行しているという中国の地域ニュースから始まった(原因不明の肺炎患者が見つかったのは2019年12月12日)。感染源が分からず、重傷度の患者は高齢であったり、持病を持つ人が多く、ヒトからヒトへの感染はないという報道で、2002年から2003年頃に同じく中国で初確認され香港を中心に8,000人以上が感染して37ヵ国774人が死亡したSARS(重症急性呼吸器症候群;致命率9.6%)と似ていないかと言われ始めていたのだが、発表当初はまだ重傷化はするが死亡数も少なく、ヒトからヒトへの感染が確認されていないということで、SARSのような大量死はないのではないかと思っていた。ところが、丁度中国の旧正月にあたる1月24日から30日が近づくにつれて、感染者が激増してきて、死亡者数も増えていく、ヒトからヒトへの感染も確認され、ついに中国政府が動き始めた。どうもこの中国政府の動きがオカシイのだ。武漢市ばかりが注目され、武漢市の対応がえらく遅く感じられ、SARSの経験が全く活かされていない感じがしたのだが、現場ではどうも中央政府がブレーキをかけ、武漢市からの発表を遅くしたり、かん口令まで出していたようなのだ。1月26日の武漢市の周先旺市長の会見では、中央政府を強烈に批判し、武漢市の対応の悪さばかりが批判されることに不満をぶちまけているのだ。あれだけ騒がれたSARS騒動で、中国政府が情報を隠蔽したことで感染が拡大した反省が全く活かされていないようなのだ。武漢市の公共交通や空港を閉鎖し、道路を閉鎖したものの、すでに500万人は中国各地に散らばって感染がかえって拡大した可能性もある(武漢市長は1,100万人の半数がすでに各地に退避してしまったと発表)。

今回の『新型コロナウィルス』の最大の特徴は、感染してからの潜伏期間が異常に長く、14日間と言われている点と、潜伏期間には自覚症状がほとんどない点で、全く本人が感染を知らずにウィルスを拡散してしまうことだ。いくらウィルスに気を付けていても、症状が出ないのであれば、本人も周辺も普段と同様に接触してしまうわけで、それが2週間も放置されて感染が拡散されるわけだ。ヒトからヒトに感染し、感染元が不明の日本人の感染者がすでに数名発生していることから、専門家の判断としては、日本国内はすでに『新型コロナウィルス』が蔓延していると考えた方がよいと警告している。これから1、2ヵ月がパンデミック(感染爆発あるいは世界的流行)のピークになると予測されており、3月末くらいが目途になりそうだ。そこで収束がみられなければ、7月の東京五輪の開催まで影響が出てきそうだ。マスクをしながらスポーツをするわけにもいかないわけで、感染が抑えられないのであれば、延期することも検討すべきだろう。とにかく、今はたとえ感染しても回復するケースを増やす努力と知恵を結集して立ち向かうしかない。現時点では、幸いにもSARSのように致命率が高くはなく、肺炎に罹ってもすでに回復して生還している人も多いようで、それが救いかもしれない。せめて日本にも先進国に設置されている感染症対策の総合研究所である疾病管理予防センター(CDC)を早急に設立して、研究・対応策・隔離施設・緊急派遣医療チームなどの体制を整えるべきだろう。(越)


 

 

 


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