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■よりみち~編集後記

 

更新日2018/03/15



かつてこのような事件が、国権の最高機関である国会の場で論議されたことはあっただろうか? 国会議員の汚職事件や行政府の官僚による不祥事など、国会を穢す事件は多々あったが、内閣総理大臣自身とその夫人が巻き起こした疑惑や事件で、これほどまでに国会が振り回され、混乱させられたことは前代未聞のことだ。そして、何よりも許しがたいのは、その当事者たちが全く反省どころか、未だに被害者意識しか持っておらず、森友事件問題でいえば、“何も知らない妻が煽てられ騙されて担ぎ上げられて広告塔の真似をさせられただけで、悪いのはあの詐欺師の理事長なのであります”という認識であり、加計問題でいえば、“獣医師が不足しているために特区制度で大学を増やしたが、たまたまそれが親友の学校だっただけで、何か悪いことをしましたか?”程度の認識しかないのであり、全く国のトップである首相が特定の事業者に便宜を図ることが何故問題になるのかということを、夫婦揃って未だに何も理解していないことにある。

そして、朝日新聞による社運を賭けて放った財務省の公文書改ざん疑惑のスクープ記事により、大どんでん返しが始まった。この報道は余程正確で確固たる事実を握っていないと書けない内容で、情報源は一切明かさず、それを守り抜く姿勢が貫かれていた。財務省内は大パニックに陥った。だが、理財局の幹部は直接その改ざんには拘わったいなくても、その可能性については十分知っていたはずで、近畿財務局の担当レベルではそれが明るみに出たことをついにその時がきてしまったという反応ではなかったかと思える。当然、次は誰がリークしたのか犯人捜しが始まり、証拠を隠滅できないか大捜索が始まった。そして、心配していた第一の犠牲者が出てしまった。書き換えの指示を受け、実行にも携わっていた国有地売却を担当していた職員の赤木俊夫氏が自殺した(本当に自殺なのかも疑問の声アリ)。そして、それを待っていたかのように元理財局長の佐川宣寿氏の辞任である。佐川氏は辞任の理由を探していたことは間違いない。連日続く国税庁バッシングで自宅にも帰れない状態では精神的にもたなかったはずだ。その辞任の理由が最悪の担当者自殺となったことに、本人はそれだけの責任を感じているのかは疑問だが、自分も同じ犠牲者の一人だという気持ちは持っているはずだ。その後はまるで予定していたシナリオのように、財務省が理財局の指示により書き換えがあった事実を認めたのも、朝日新聞が正確な書き換え前の文書を握っていることが判明したからだろう。ただ、麻生財務大臣の責任をできるだけ軽減して辞任までの必要がないように、すべては佐川元財務局長の指示だったことで終結できるよう操作されている。

この森友事件を筆頭に、安倍ポチ総理が巻き起こした事件は、権力の一極集中によって起こる奢りや傲慢さ、そしてそれがさらなる強権主義へとエスカレートする構造を如実に示してきている。その究極が安倍ポチさんの悲願の憲法改正なのだろう。安倍ポチ政権に反対する多くの人が、この強権主義は向かう軍国主義や独裁主義に対する警戒感から早急に安倍内閣を潰さなければ、日本が潰れるという意識なのだと思える。今回の朝日新聞の大スクープにより、かなり確実に安倍ポチ内閣の強権主義が揺らいでおり、麻生財務大臣の辞任は時間の問題であり、安倍ポチ内閣の総辞職も現実的になってくるように思える。あとは野党の詰めのテクニックの問題と大阪地検特捜部の捜査体制がキーポイントのように思える。あくまでも私の推測の範囲だが、朝日新聞のスクープの情報源は大阪地検の関係者か協力者ではないかと思える。押収したデジタルデータから改ざん前の文書を探り当てていたのも大阪地検であり、官邸からの地検へのプレッシャーがあったであろうことは十分想像できるわけで、正義感の強い告発者がいたのではないかと想像したのである。なんかいずれこの事件を映画にしてみたくなりますね。(越)


 

参考に2013年から延々と続く森友事件の詳細をまとめてみます。


■森友事件の時系列経緯

2012年1月
問題の土地を、大阪音楽大学が最大7億円での購入を希望したが、財務省近畿財務局は時価9億円超での売却を希望し、大阪音楽大学側は土地の購入を断念

2013年4月
問題の土地の地下3mにゴミや汚染物等が発見され、土地が汚染区域に指定

2013年6〜9月
国土交通省大阪航空局の依頼を受けた財務省近畿財務局が売却先を公募

2013年9月
学校法人「森友学園」が土地の取得を要望

2014年12月(*)
安倍晋三首相の昭恵夫人が、森友学園が建設を予定する小学校の名誉校長就任を了承

2015年5月

近畿財務局が森友学園と10年間の定期借地契約と期間内の売買予約契約を締結

2015年7~12月
森友学園は地下3mのゴミや汚染土等を撤去し、汚染区の指定が解除される

2016年3月
森友学園は建設工事中にさらに深部からゴミや廃材等の地下埋設物が発見された事を報告

森友学園側が土地の購入を申し入れる(*)

地下3mまでのゴミ撤去費用を国が負担する合意書が森友学園側と財務省側で交わされる

2016年4月
当初から確認されていたゴミ撤去費用として、国から1億3,176万円を森友学園側に支払い

大阪航空局が新たなゴミ撤去費用を8億1,900万円 と見積もる

2016年6月
大阪府豊中市の国有地を森友学園が1億3400万円で購入(土地の評価額9億5,600万円に対し、ゴミの撤去費用8億1,900万円を差し引いた額)(*)

2017年2月
森友学園が大阪の国有地を適正価格の1割程度で購入していたことが報道される(*)

衆院予算委員会で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と発言(*)

理財局長として佐川宣寿が、国会で森友学園との国有地売却に関する交渉記録について「破棄した」と答弁

2017年3月
森友学園が小学校の設置認可申請を取り下げ、籠池泰典理事長の辞任の意向を伝える(*)

学校用地として土地を売却した政府は土地を買い戻す方針と表明

2017年7月
佐川理財局長が国税庁長官に就任(*)

土地価格の算定を担っていた国土交通省の佐藤善信・航空局長辞職

2017年8月
籠池夫妻と財務省近畿財務局の国有財産統括官・池田氏の交渉音声データが報道

佐川局長(当時)の「事前の価格交渉はしていない」が虚偽答弁が発覚(*)

<2017年9月末> 国難突破解散 衆院解散総選挙 10/22投票 野党混乱により与党勝利

2017年11月
会計検査院が「8億円の値引きの根拠が不十分」とする報告書を国会に提出(*)

衆院予算委員会で、後任の太田充理財局長が「金額のやりとりはあった」が「価格交渉はなかった」とする珍答弁

2018年1月
財務省近畿財務局が学園との交渉を内部で検討した文書が情報公開請求で開示され、佐川氏の答弁への疑いが強まる

2018年3月 
朝日新聞のスクープにより、国有地取引に関して財務省が作成した決裁文書が書き換えられたとされる疑惑が浮上(財務省否定せず)

財務省近畿財務局で森友学園への国有地売却を担当していた職員の赤木俊夫氏自殺

元財務相理財局長の佐川宣寿氏が辞任

政府は財務省による文書の300箇所の書き換え(改ざん)を認める

国会にて元財務相理財局長の佐川宣寿氏の証人喚問実施

麻生財務大臣が辞任?(早くしてくれ!)

 

 

 


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