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■よりみち〜編集後記

 

更新日2016/03/24


ベルギーの首都ブリュッセルのザベンテム空港で3月22日午前8時、2回の爆弾テロが発生、その1時間後、 ブリュッセル市内のマルベック地下鉄駅でも自爆テロが起こった。この連続テロによって空港で14人、地下鉄で20人が死亡し、250人以上が負傷した。18日にはパリ連続襲撃事件の主犯格とされるサラ・アブデスラム容疑者が逮捕されたニュースが世界中を駆け回ったばかりで、パリのテロ事件の関係者による報復テロのようで、IS系メディアで犯行声明が出されている。爆弾テロや自爆テロは余程警戒網を張り巡らせ、検問を密にしないと事前に容疑者を確保することは不可能に近いだろう。今回の爆弾テロも周到に計画されていたことが分かっており、パリのテロ事件が突発的なものではなく、今後も続けられるテロ事件の前触れだったことを印象付けようとしている。それもISで訓練を受けシリア難民としてまぎれ込んだテロリスト集団ではなく、ヨーロッパで生まれ、ヨーロッパの教育を受けているISシンパのイスラム教を信奉する若者たちがテロリストとして養成されている現実を直視しなければならない。ISの問題は、中東のイラクやシリア問題、イランやクルド勢力にも関係する過激なイスラム原理主義の問題ととらえられがちだが、もうそんなレベルの話ではなくなっているのだ。

ISを「イスラム国」と訳してきているが、完全なるカルト集団と考えた方が正しいように思える。日本におけるオウム真理教の事件を思い出して欲しい。原始仏教やチベット仏教の教義から出発したオウム真理教だったが、教祖の麻原彰晃の妄想が教義となり、マインドコントロールによる信者育成プログラムを確立して、さらに信者救済のために世界を化学兵器で殲滅して理想の王国を実現することを目指し、地下鉄サリン事件など一連の事件を起こした。そして、ISも同様にイスラム原理主義からスタートし、武闘派が次第にエスカレートし、武力による多民族の破壊、殲滅が日常化し、世界転覆が目的化してしまったのだ。マインドコントロールのノウハウが、自爆テロリストの養成へとつながり、理想の王国建設のために喜んで死んでいく若者を量産しようとしているのである。いま早急にやらなければならないのは、オウム真理教の事件と同様、ISのマインドコントロールを解除するためのノウハウの取得、若者のISシンパになることへの予防策とネットによるISシンパづくりの徹底排除など、ISという超過激な武装カルト集団の危険性の喧伝により、カルトへの入信を各国で阻止することが大切だと思う。日本にとっても、もう対岸の火事では済まされない地球規模の大問題であり、いつ日本国内で爆弾テロがあってもおかしくない状況となっていることを認識すべきだろう。 (越)

 

 

 


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