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■よりみち~編集後記

 

更新日2013/04/25


「アベノミクス」なのか、果たして「アベノリスク」なのかまだ分らないが、新日銀総裁の黒田東彦氏のリーダシップが効いているようで、久々に日本経済の先行きに明るい光が一筋見えてきたような気がして(このムードづくりだけは大成功している)、かの民主党時代の悪夢のようなすべてが停滞していた状態から少しだけ動きがでてきた感じがする。しかしながら、このムードづくりが成功しているうちにドサクサに紛れてイロイロ決めてしまおうという不穏な動きも大きくなっているから要注意だ。TPP参加確定に関しては、アメリカのポチ政策に同調しなければならないシガラミがあるのだろうから、いくら反対意見があっても民主党時代から推進が決まっていたことなので、とりあえず参加して様子を見るしかないのは理解できるとしても、やたらと声が大きくなってきたのは、憲法改正に向けた発言である。小泉元総理が郵政民営化法案一本で押し切ったように、安倍総理は戦後初めて憲法改正をした首相として歴史に名前を残すためにだけ集中してくるのではないか心配になってきている。経済問題で責められていないこの時期を狙って一気に憲法改正の道筋を決めてしまおうという魂胆がちらり見えるのだ。しまいには、“日本が参加した戦争は侵略戦争とは呼べない”とか言い出し、得意の国防軍につなげていく論法がでてきている。北朝鮮の理不尽な動きや中国の覇権主義に対応する上でも、今すぐに憲法を改正して正式な軍隊で日本を防衛しなければならないということだろう。安倍総理としては、これほどお膳立てが揃った絶好な機会は二度とないから、憲法改正は“今でしょう!”と夏の参院議員選挙を機に大転換するシナリオなのだと思える。日本維新の会の石原翁とはこの一点においては同意見であり、石原さんが80歳で国政に戻った理由もこの憲法改正に他ならないわけで、自民党との連動は間違いないだろう。
自衛隊を国防軍にするための憲法改正ということが、憲法を変える一番の目玉なのだが、そのためには日本国憲法のシンボルでもある世界で唯一の「戦争放棄」の条文を消さなければならないわけで、日本の根本思想を転換することを意味している。もっと現実に即した近代憲法でなければならないと改憲派の意見は理想だけでは国は守れないという論法だ。さらに、いつまでもアメリカの属国ではなく、真の独立国として日本独自の憲法を日本人の手で再構築すべき時がきていると言うのだろう。ただ、今でも忘れてならないのは日本が世界で唯一の原爆を投下された被爆国であり、さらにはフクイチの原発メルトダウンを経験したロシアに次ぐ2番目の被爆国であることだ。現代の究極の武器は原子爆弾であり、戦争がエスカレートした先には核戦争しかないわけで、唯一の被爆国の日本がその核戦争を肯定する立場に変わって本当に良いのかということだ。理想に過ぎないかもしれないが、世界平和を日本だから言える権利があるのだと思える。その権利まで放棄してよいのだろうか。実現困難な世界平和を叫んでいるアジアの小国でどうしていけないのだろうか。徹頭徹尾、戦争や争いごとすべてを回避するために世界を奔走する国、地球を核戦争から守る永世中立国になるべきなのだ。こんな時代だからこそ“戦争放棄”に価値があるのだと思うのだが・・・(越)

 

 

 


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