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■よりみち〜編集後記

 

更新日2011/05/05


イギリスのロイヤル・ウェディング、アメリカ軍の特殊部隊によるビン・ラディン容疑者の殺害と、国際的な大ニュースが連休中にもあったが、今年の日本のゴールデンウィークは今までになく複雑な感情が入り混じる休暇になったように思える。例年にも増して寒さがそれを助長したかもしれないが、根底にはやはり福島原発事故の問題や復興が長期化することが確実となった東日本大震災で被災し、避難所などで生活している人が12万人以上いる現実があり、日本の経済復興のためにもイベントなどの自粛や中止はしないで、できるだけ普段通りの生活をすることが被災者への支援にもつながるのだと言われているのだが、これだけ政府のやることなすことが後手後手で、的確な先制政策の一つも発表されない状況では、心配しない人はよほどの楽天家か、政府至上主義のコチコチ頭の人だけだろう。
復興のための委員会や検討会を政府主導で設置するまでは良かったのだが、委員会の数や人数を集めることが仕事と思っているのか、明らかに重複していると思える内容の検討会などが多く、交通整理は誰がするのという疑問だ。実際に各委員からあまりに人が多すぎて議論ができないという批判も出ている。復興資金の財源に関しても、消費税率引き上げの増税方式しか頭にないことが明らかで、この大災害で経済状況が一転していることなど関係なしに、このチャンスに一気に消費税率を国民の反感なしにアップできると思っている感じがする。経済の復興も大きな課題であるはずの政府が、今増税すれば必ず経済が収縮してしまうことを分っていながら増税に踏み切るという無神経さが信じられない。
結局のところ、先日の放射能基準値で学校施設の許容量が年間20ミリシーベルトは納得がいかないと管総理が任命した小佐古敏荘内閣官房参与が厳重抗議して辞任したことでも明らかなように、ご都合主義に成り下がってしまったのであり、事の本質よりも事情を優先する内閣だということのようだ。自分が任命した放射線安全学の権威である東大教授に対して、「専門家の見解の相違から辞任されたことは大変残念なこと」という一言で片付けてしまったのだ。小佐古教授としては、弱者である園児や児童に大人の被爆限度量を当てはめることは学者として許されないとして男泣きしたのだ。辞任後、高木義昭文科相は学校施設利用の暫定基準について、「この方針で心配ない」と断言したのだが、管さんも高木さんも、子供に異状が出始める10年後くらいにこの一連の問題発言で政治家生命を失う確率が高いことを肝に銘じておく必要があるだろう。
原発事故が起こってしまったからしょうがないと開き直っているのではないだろうか? どうせ10年後以上経過しないと放射線の影響など分らないし、その時には自分はここにいないと思っていないのだろうか? 自分が起こした事故でもないのになぜそんなに責められると自棄をおこしていないだろうか? それが今、政府関係者に対して一番心配していることだ。25年経ってもチェルノブイリには誰も生活できない現実を直視すべきであり、最善の策を今講じるしかないことに気づいてほしいものだ。10年後の子供の日にこの放射線被害の影響がニュースにならないように願うばかりだ。 (

 

 

 


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