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■よりみち~編集後記

 

更新日2020/05/07


 

今年のゴールデンウィークは史上初のSTAY HOME週間となったが、外出自粛している割には新型コロナウイルスの陽性者数は減らず、緊急事態宣言の自粛期間が5月末まで予測通り延長されることになった。先週1週間で全国の感染者数が2,356人(死亡者数112人)だったが、今週では1,502人(154人)にまで数値的には減少しているのだが、日本の場合は、厚労省によるPCR検査制限がかけられているため、正確な陽性者数が出てこないという不思議な現象が起こっていて、このような状態で果たして何時になったら外出自粛が解除されるのか、またその根拠がかなり怪しいのではないかと疑ってしまう。日本のPCR検査能力に問題が出ているような発言を聞くのだが、日本では韓国や欧米で使用している全自動PCR検査機が使用されておらず、マンパワーが圧倒的に不足していると言うのだ。ところが調べてみると欧州の全自動PCR検査機は日本製で、今回のコロナ禍でフランス大使から感謝状が送られていたほど、日本の検査技術が評価されていたわけで、悲しいかなその全自動PCR検査機が日本の厚労省で認可されていないというマンガのような話なのだ。これほどPCR検査が必要だとされていながら、安倍首相が目標値2万件/日を宣言しておきながら、全く目標値の半分も到達していない状況は、この全自動PCR検査機を承認さえすればすぐに解決できた問題のはずです。厚労省と感染研の縄張りなのか何なのか知らないが、この検査制限は今後大きな禍根を残すことになりそうです。

今週(4/30-5/07)、感染者数が増えている国は、インドで感染者数が1万9,925人(死亡者数778人)、イランは減ってはきているが7,993人(461人)、ここにきて感染拡大しているのがサウジアラビアで、10,536人(52人)、北米もロックダウンの効果が未だ見えてきておらず19万207人(1万2,361人)で、カナダも1万1,862人(1,149人)とまだまだ減ってきていない。問題の欧州だが、イギリスもロックダウンの効果がまだ出てこないようで、3万4,660人 (3,979人)で死亡者数の累計でも3万人を超え、イタリア、スペインを抜いてアメリカに次ぐ2番目に死亡者数が多い国になってしまった。フランス、イタリア、スペインは明らかにロックダウンの効果が出てきているようで、フランス 8,708人(1,722人)、イタリア 1万866人(2,002人)、スペイン 7,408人(1,582人)と確実に感染者数を減らしてきている。徐々に散歩の解禁や外出の解禁が徐々に始まっている。ドイツの場合は、1万0,521人(881人)と、感染者数は先週の6,330人(730人)よりも増えているが、政府の見解としては医療崩壊の危険がないレベルに達しているとの判断で、外出制限を解除していく方針のようだ。サッカーのブンデスリーガも無観客試合ながら復活させることを発表した。ウイルスと共存していく方向で舵を切ったドイツが今後注目されそうだ。また、北欧のスウェーデンは欧州の中で唯一ロックダウンも何もせず、イベントなどの中止のみで外出制限もなしにウイルス共存の方針を貫いている国だが、先週が4,299人(697人)で、今週が4,297人(479人)と北欧諸国の中では感染者数はダントツに多いが、爆発的な感染拡大には至っておらず、高止まりで安定している傾向にある。

■その他、今週気になる国は、トルコの1万4,155人(503人)、ロシアの6万6,530人(565人)、メキシコ 1万496人(1,073人)、エクアドル 7,623人(747人)、ペルー 1万3,441人(751人)、ブラジル 5万8,717人(2,778人)、チリ 8,683人(68人)と、トルコは以前から感染拡大していましたが、ロシアが最近急激に感染拡大しています。そして、中米から南米諸国に感染が相当拡大していることが数値にでてきています。(越)

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Covid-19_050720

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