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■よりみち〜編集後記

 

更新日2015/06/25


安倍晋三というヒトが、二度目の日本の総理大臣になってから、日本はここまで変わってしまってよいのかと思えるほど、あっと言う間に日本の雰囲気が変わってしまった。アベノミクスという経済政策を自ら命名して、さらに自画自賛しながら、規制緩和政策による円安への誘導、大企業の税制優遇策、海外への円借款のバラマキ外交の推進して、デフレーションからの脱却を最終的に目指し、雇用の安定化と生活水準の向上を約束するという、バラ色の国家プランを旗印に颯爽と再登場してきた。それは、不甲斐ない烏合の無能集団と化した民主党の終焉に合わせたように、自民党支持者にとっては正に救世主的な存在に見えただろう。

その本性を誰にでも分かるように露わにし始めたのが、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会での最終プレゼンテーションでの安倍首相のスピーチ辺りからではなかっただろうか? フクイチの状況を「The situation is under control」(状況はコントロール下にある)と発言し、さらに「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」「福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ」「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」と、海外メディアに向かって言い放ったのだ。この時にもすでに、そんなウソを言っていいのかとかなり日本のメディアから批判されたが、一切の言い訳も、訂正も、反省もなく、現在に至っており、この辺りから、安倍さんは平気でウソを言い、そのウソはその場限りで、一切訂正もお詫びもしないとんでもない首相であることがバレ始めたのではないだろうか。

その後はご存知の通りだ。国会答弁でもウソを平気で言い、仕舞いには総理大臣の私が言っているから間違いはないとまで言い放つ始末で、このヒトを本当に首相にしておいて日本は大丈夫なのかと思えるほど、まともな政治状況ではない。安倍話法ともいうべき理不尽で議論にならない話し方で煙に巻き、もう野党も安倍総理を追及することに疲れてしまい、何を言っても無駄なだけの徒労感に陥ってしまっている。国会での議論の時間を充分に取って、説明も尽くして法案を決めていくと言う安倍さんだが、時間だけは確かに経過していくわけだが、中身のない議論にもならない会話が延々と繰り返され、説明を尽くすと言うだけで、まともに説明を受けたことはない、明らかに時間潰しを狙っていることが明白で、根負けして、野党が何も言う気をなくして、議論を尽くしたので強行採決せざるを得ないという状況をNHKの国会中継で記録しておくことだけが目的のようだ。

そして、安倍首相のライフワークとも言えるミッションがついに見えてきている。集団的自衛権の行使容認、いわゆる「戦争法案」の法制化である。憲法学者のほとんどが違憲として批判している(賛成しているのは日本国内に3人だけのようだ)法案を憲法改正なしに決定しようとしている。憲法改正はとても無理なので、この自民党優勢のこのチャンスを逃さず法制化して、閣議決定だけで派兵ができるようにするというとても危険な法律を強行採決で決めてしまおうという魂胆である。すでに2014年7月1日、「新3要件」のもとで集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしており、正に法制化まで秒読み段階まできている。新3要件とは、「我が国に対する急迫不正の侵害があること」「これを排除するために他の適当な手段がないこと」「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」という要件を満たさない限り武力行使はしないと、歯止めは充分だという論法だが、すべて抽象的な表現で、いくらでも解釈を変えられる内容で、特に安倍さんであれば、当然「ウソ」を言ってでも武力行使を強行することはミエミエだ。

この安倍さんのミッションは、明らかにアメリカの悲願の実現を託されているわけで、アメリカとの安全保障の関係性を強化したい思惑からでてきている。口実としては中韓の軍事的脅威に対しての日米安全保障条約の協力関係の強化を目指すことにあるわけだが、個別的自衛権により充分対応可能なことばかりで、この時期に集団的自衛権の行使容認により世界中に派兵が可能にできる法案をどうしても通す必要性は日本には全くないわけで、安倍政権の今しか法制化できないと分析しているアメリカの強い要請と指導により自民党が動かされていることは間違いないだろう。アフガン戦争やイラク戦争の失敗やISの台頭など、アメリカは中東テロ対策でことごとく失敗しており、国内情勢により、これ以上の派兵は困難になっており、今までのように日本の軍事費だけの協力関係では間に合わなくなっており、血を流す協力関係を熱望していることは明らかである。そのネックになっているのが、アメリカが押し付けた憲法第9条であり、時代の変化に即した憲法解釈の変更という形で戦争ができる日本にしたいのだ。これはまるでTVCMで流行っている「ももたろう」のようだ。世界の救世主「アメリカ」に尻尾を振って付き従う忠実なポチ「日本」。これからのテロ戦争では、安全な後方支援などあり得ないわけで、ずるずるとアメリカの予備軍として引きずり込まれるのは見えている。この戦争法案だけはなんとしてでも阻止しなければ、平和国家「日本」は永遠に消えることになる。(越)

 

 

 


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