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■よりみち~編集後記

 

更新日2018/07/05



寝不足で体調がイマイチ良くない。そうなのです。ロシア・ワールドカップ2018のせいなのです。深夜のスポーツ観戦はキツイ。それでもナマに拘ってしまうのは、スポーツ観戦ほどビデオ録画がつまらないものはないからだ。世の中情報過多の時代である。ビデオ録画を楽しもうとする以前に、TVニュースやネットニュースでこれでもかというほど試合結果を垂れ流し、おまけにゴールシーンを何度も繰り返して放映しているから、ビデオ録画したものは楽しむためではなく、確認になってしまい、手に汗握るライブの感覚が一切なく、そうかゴールシーンの演出の前にこういうプレーがあったのね的な確認作業に終始する。仕舞には、ゴールシーン前まで早送りするほど興味がなくなっているわけで、スポーツ観戦はナマじゃないとツマラナイのだ。というわけで、日本戦の試合はTVの前にかじり付くことになるのだが、決勝トーナメントの日本VSベルギー戦はなんと7月2日(火)午前3時キックオフ。さらに悪いことは重なり、1日(月)午後11時からはブラジルVSメキシコ戦なのである。ベルギーを破った次の相手がブラジルかメキシコになるわけで、これはチェックしておかないといけないし、なにせネイマールのゴールシーンやメキシコのGKオチョアのファインセーブも観たい。結局、何時寝るのだ? ブラジル戦と日本戦の合間の1時間ほどしか寝られないということ。ネイマールの素晴らしいゴールが決まり、2-0でブラジルが順当に勝ち上がってきた。ブラジル勝利を確認した途端寝落ちしてしまったのだろう、午前3時にタイマーが鳴って気が付いた時にはすでにベルギーVS日本戦が始まっていた。

ほとんどの予想はベルギー有利、日本がどれだけ守り切れるかということだったが、日本チームが思いのほかリラックスしていてパスミスも少なく、ベルギーらしさを出させていない。このままの調子だとチャンスは十分あるという前半が終了して、後半開始3分、なんと柴崎からのカウンターパスで原口元気が速攻でゴール左隅に、決勝トーナメントで初めて日本のゴールが決まった瞬間である。原口も自分で驚いているほどの完璧なインフロントキックが炸裂した。この先制点で流れは一気に日本に舞い込んだ。さらに後半7分、ゴール前で香川からのパスを受け乾貴士が得意とする左45度からの無回転キックでゴール右隅に2点目を決めた。2-0で日本が勝っている、誰が予想しただろう。すごすぎる試合展開にチーム自体が動揺していたのだろうか、後半24分、29分とベルギーにアンラッキーなゴールを許してしまい、2-2の同点にまで追いつかれてしまった。決勝トーナメントの歴史の中で、2点を先制していたチームが負けたことは例がないようだ。結局、後半アディショナルタイム4分の終了ギリギリ、後半49分、日本のゴール前のフリーキック、これで後半最後のチャンスで、キッカーは本田だ。すべてを本田に託したが、決まらず。そしてここからベルギーのカウンター攻撃の見本とも言うべきプレーが最後に残していた。バックスが戻れず結局見事なゴールを決められ、日本の夢がここで終わった。今から言っても後の祭りだが、2-1になった時点で、もっと守りに集中してベルギーが得意とするカウンター攻撃に対処すべきだったという意見もあるようだが、想定外の2点先制で、イケるという驕りがチームに出てしまったのかもしれない。2-2になっても、守るよりはもう一点に執着したはずで、これは初めての決勝トーナメントでの勝利を知らないチームの焦りだったかもしれない。2-2で延長戦になっていたら、西野監督の采配はたぶんかなり変わっていたはずで、残念としか言いようがない。

まだ、ワールドカップはベスト8が決まったばかりで、これからが死闘の始まりである。超人的なスピードと技の新星エムバペのフランス、脂の乗り切った天才ネイマールのブラジル、自国開催でノリに乗って奇跡的な勝利の連続のロシア、すでにWC得点王のオールラウンダーのケインのイングランド、どこが勝ってもおかしくない試合ばかりで、これからも楽しみである。ということで、まだまだ寝不足が続きそうだ。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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