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■よりみち〜編集後記

 

更新日2015/07/23


元最高裁判事や元内閣法制局長官、憲法学者300名以上(そのうち3名だけが合憲主張)、さらに「安全保障関連法案に反対する学者の会」(1万名以上の学者が登録済み)などなど、今回の「平和安全法制整備法案」に反対する人々が増加し続けている中、2015年7月15日、衆議院での強行採決を予定通り実施した安倍政権は、参議院での審議がたとえ終了しなくても、会期末の9月末には再度衆議院での強行採決により成立させようと、なりふり構わず強行突破しようとしている。これは第96代内閣総理大臣、安倍晋三の個人的で、怨念的なミッションであり、平和国家としての日本憲法を、狂信的な一人の政治家が歪めようとしているだけではなく、戦後大切に守ってきた憲法第9条の戦争放棄という日本の宝を無にしようとしている。

すでにフランスやアメリカの雑誌や新聞などで安倍総理の狂信的な発言や行動が特集され、日本が戦前の軍国主義に戻ろうとしていることに警戒を強めており、その分析は日本国内よりも冷静に、そして的確に行われている。安倍自身も自由民主党としても、説明が足りないからまだ国民が理解していないだけで、丁寧に説明すれば分かってもらえると、その反論に躍起になっているが、その丁寧な説明?というものを聞けば聞くほど、場当たり的でいい加減さがバレてくるしろもので、説明を尽くせば尽くすほど反対意見が増えてくるという状態である。要は、いかようにも閣議決定だけで派兵から従軍まで決定できる法案で、正当性はいくらでもこじつけられる内容としてあり、決定的に問題なのは、“総理大臣が判断することに間違いはない”のだから、すべて任せなさいという法案であり、安倍総理のような狂信的な政治者の場合、とにかく危険極まりない法案になることは間違いない。

A級戦犯の戦後の安保法案で失脚した岸信介元総理の孫である安倍晋三という男の超個人的なミッションであり、ライフワークとしている「戦争法案」だから、安倍さんの豪胆な戦法にまんまと引っかかってしまったようだ。安倍さんにとっては、アベノミクスも東京オリンピックもすべてこの「戦争法案」の成立のための布石の一つだったのだ。景気対策としてアベノミクスをぶち上げ、ウソを信じ込ませ、オリンピック招致で暗いムードの東日本大震災を忘れさせ、自由民主党が日本を建て直すイメージを作り上げ、野党勢力を壊滅的なまでに追いやり、ついに憲法改正の準備段階までは順調に駒を進めてきたのだった。

その勢いに乗って国民投票の過半数までいけると当初は踏んでいたのかもしれないが、とても現状では国民の過半数は無理と判断した安倍さんの変わり身は早かった。以後、一切憲法改正論議は自ら封印してしまっている。これが安倍さんらしいところで、誰か切れ者の指南者が側近にいるのか不明だが、秘密保護法なる戦前に言論統制のために活用したとんでもないマスコミを封じ込める法律をごり押しの速攻で法案化してしまい、ジャーナリストを政権から遠ざけ、着々と次の集団的自衛権の行使容認の閣議決定を行い、それに伴う戦争法案の議会承認を目指す方向にいつの間にか方向転換してしまった。これもシナリオの中に入っていたに違いない。そしてそのダメ押しがアメリカ議会でのあのお恥ずかしい英語での首相演説である。全く議会にも提案する前に集団的自衛権行使容認の確約をしてしまったのだ。これは前代未聞の暴挙である。提案前の法案を、それも今年中に成立させると明言したわけで、正に独裁者としての発言である。

この戦争法案は、明らかにアメリカ(ユダヤの武器商人、国防総省、CIAの命を受けた仕掛人が動き回っている)が危機的な軍事状況(戦費兵士削減、基地撤退など)にあり、同盟国への軍事支援の要請が急務となっており、なりふり構っていられない状況にまで追い込まれていることが一つの要因であることは確かだ。同盟国の日本に対して、“Show the flag”や“Boots on the ground”という恫喝的なフレーズで常にプレッシャーを掛け続けてきていることが以前から漏れてきている。さらに日本サイドでは、経団連が、戦争法案にかなり積極的にコミットしてきており、安倍政権を支持し、法案成立の早期決着を求めており、戦前の軍需産業復活を夢見ていることは明白である。さらに原発再稼動とTPP交渉の早期決着により、アメリカとの同盟関係をさらに強固にし、軍需産業による日本経済の国際化を目論んでいるわけで、このまま安倍路線と日本の軍需企業が結託してしまったら、日本の未来は大変なことになってしまう。

安倍政権は、かつての自民党が60年安保闘争の際、安保条約を国会で強行採決した時(岸信介内閣が混乱の責任を取り総辞職)を重ね合わせて、国民に理解されていないことでも、日本を守るためには強権を発動してでも守りぬく決意が必要だというナルシシズムに陥っている議員も多いようだが、安保条約により駐留米軍を承認し、沖縄の米軍基地の常態化を認めたもので、辺野古への基地移設問題もこの時代から遺産となっており、アメリカの属国化を承認した法案でもあるのだ。

すでに、この戦争法案に反対する団体や組織が各地に大量自然発生しており、特に若者が立ち上げた“SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy- s)”が、リベラル勢力の結集にむけて素晴らしい動きを全国展開している。これだけ国民を舐め切った内閣はかつてなかった。今こそ、国民の力を見せつける時がきたようだ。そして、日本がアメリカの属国から抜け出すための一歩を踏み出すべき時なのだと思う。それも単に安倍政権対してNOと言うだけで充分なのである。最悪な戦争法案を廃案にするだけでいいのだ。これだけは絶対阻止しなければ日本でなくなってしまう。「戦争法案 絶対反対!!」(越)

 

 

 


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