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■よりみち~編集後記
更新日2019/08/01




今回の参議院選挙(07/21)の結果には、期待はしていなかったものの、やはりショックな点が多かった。まず第一に、投票率が48.80%と戦後2番目に低かったことだ。これには呆れた。安倍ネツゾウ政権の最大のミッションである憲法改正が争点となることが予測される今回の選挙において、それでも無関心、もしくは無関係を装う人が多かったという現実に愕然とする。自民党は66議席から57議席へと9議席減らしたが、与党の勝敗ラインを大幅に下げていて、改選議席の過半数の63議席を確保したことで、お約束の勝利宣言を行った。しかしながら、改憲勢力となる日本維新の会の10議席を含めても、改憲の発議に必要な3分の2の議席を維持することができなかったことは、野党共闘の成果と言えるだろう。そして、ショックな点の2件目が、『れいわ新選組』の山本太郎が99万票という今回の最高得票を獲得したにも拘わらず議員として国会に戻れなくなったことだ。これは特別枠で擁立した筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で介護事業会社副社長の船後靖彦氏(61)と、同二位に擁立した重度障害者で市民団体代表の木村英子氏(54)を当選させるための方策ではあったが、99万人の支持を受けながらも国会議員として発言できないことはとても残念なことだ。全国比例区で立憲民主党の須藤元気は7万数千票で当選している現実をみると、99万票で2名しか当選できないシステムはどこか歪んでいるように思える。但し、山本太郎が今回臨んだ弱者のためのポピュリズム政策は早速威力を発揮しており、次回の衆院議員選挙での大躍進は間違いなく、野党との共闘が実現できれば、立憲民主党とタッグを組んだ展開が観られるかもしれない。

選挙前にはニュースで触れられることすらタブーだった『れいわ新選組』が重度障害者2名を国会議員に送り込んだことで、タブーが解禁されたようにこぞって各メディアが取り上げ、まるで山本太郎をヒーロー扱いするニュース番組まで登場してきており、何故に選挙前に持ち上げてくれなかったのかと、メディアという世界の主体性のなさに呆れるばかりだ。結局、メディアはよく諺にあるように「勝ち馬に乗る」「尻馬に乗る」「付和雷同」のような軽薄で、中身の薄い人間の集団であることが分かる。ただ、上っ面だけの報道だけでなく、たっぷりと山本太郎の本音のコメントが話せる時間をとって欲しいものである。そのコメントを聴けば、彼が首尾一貫していて、ブレることなく弱者のための政策を実現できる人であり政党を目指していることが伝わるはずである。(越)

 

 

「れいわ新選組」 政策一覧
●消費税は廃止(実質賃金は上昇、景気回復へ)
●安い家賃の住まい(空き家、中古マンション、団地の活用)
●奨学金チャラ(555万人を奨学金徳政令で救済)
●全国一律!最低賃金1500円「政府が補償」(年収200万円以下世帯をゼロに)
●保育、介護、障害者介助、事故原発作業員など公務員化
●一次産業戸別所得補償(食料自給率を100%を目指す)
●防災庁を創設(復旧・復興のノウハウを蓄積)
●本当の国土強靭化、ニューディール政策(水道、鉄道などの公共性の高いものは国が主導)
●デフレ脱却給付金の実施(インフレ率2%を目指す)
●財政金融政策(法人税にも累進性を導入)
●地位協定の改定(沖縄の民意を尊重、対等な同盟関係を実現)
●「トンデモ法」一括見直し・廃止(特定秘密保護法、派遣法、入管法、種子法などなどを廃止)
●原発即時禁止・被曝させない(エネルギーの主力は火力、自然エネも拡大)
●障がい者への「合理的配慮」を徹底(障がい者福祉と介護保険の統合路線は見直し)
●DV・虐待のない社会の実現へ
●児童相談所問題(職員の不足、質の向上など)
●動物愛護(ペットショップでの生体販売禁止など)



 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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