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■よりみち〜編集後記

 

更新日2013/08/15


今日は8月15日、終戦記念日である。正式には「戦没者を追悼し平和を祈念する日」(1982年制定)ということらしいが、敗戦記念日とする方が正しいとか、無条件降伏を決めた日なので降伏記念日と呼ぶべきだとする考え方もあるようだ。いずれにしても、日本が第二次世界大戦で敗戦国になる決定的なポツダム宣言を受諾して、無条件降伏を決めた日であり、連合国軍の監督はあったものの日本が自ら創り上げた平和憲法で「戦争を永久に放棄する」ことになった契機となった日である。近年、改憲論がよく議論され、実際に安倍首相になってからは本気で憲法改正を改訂しようとする動きが活発化しており、安倍さんはどうしても日本に軍隊を復活させ、堂々と戦地に日本の軍隊を送り込める体制を作り直すことが自分の政治家としての使命だと思っているようで、とても恐ろしく感じる。改憲派の最大の目的は第九条の第二項の「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という条文を“防衛軍を保持し、国が決定した場合は交戦権を認める”に改訂して、ナメられない強力な日本を復活させたいのだと思う。確かに、最近の日本の外交政策はナメられっぱなしだ。尖閣諸島、竹島、北方四島、いずれも国境問題では、日本の憲法に交戦権がないことを逆手にとった威嚇や挑発行為が目立ち、日本の弱腰外交はこの憲法問題と密接に関係しているという意見も多い。しかし反対に、今憲法の第九条を変更して、自衛隊を国防軍に変更し、交戦権を認めてしまった場合どうなるだろう。間違いなく、中国、韓国、ロシアは同盟を結び、日本を警戒し軍隊の増強を図るだろうし、対日感情を最悪の状態にし、一触即発の状態に陥り、威嚇や挑発がエスカレートするだろう。好戦的な考えの人には、この憲法改訂は絶好の口実となることを忘れてはいけない。外交をより強くするためというもっともらしい理由があるが、それでは核兵器を最近すでに所有したとされる北朝鮮は外交にそれが有利になっているだろうか、中国の軍事力毎年増強され、中国軍が強大化しているとよく聞かされるが、外交上それが有利に働いているだろうか。それは全く反対で、経済的な国際交流においては、軍事力の増強は脅威であり、マイナスにしかならないものだと思える。
8月6日、広島の原水爆禁止世界大会で、以前からアメリカの大国主義を批判し続ける映画監督のオリバー・ストーン氏が初めて講演しているが、スピーチの中で、“第二次大戦後、米国はソ連を巨大なモンスターにしたてあげた。中国はいまその途上にある。つまり米国の「唯一の超大国」の立場を脅かすもうひとつの超大国にしたてあげられようとしている。今は大変危険な状況にある”と語っている。そのアメリカの目的とは、“アメリカは世界の73%の武器を製造しては売りさばいている。それには無人攻撃機、サイバー兵器、宇宙戦争用の武器も含まれる”と彼が言うように、アメリカ経済の中心である武器産業、すなわちアメリカの大国主義のためであり、オスプレイ配備も、沖縄の普天間基地問題も、世界に展開するアメリカ軍の基地も、すべてアメリカを「唯一の超大国」の立場を守るための戦略なのだということだ。戦争は誰に聞いても嫌だと言うし、やるべきではないと答えるだろう。実際、戦争をして良かった国など聞いたことがない、大量の戦死者、莫大な軍事費、莫大な建設費や人件費、国は荒れ果て、家族は引き裂かれ、精神的なダメージも計り知れないものだ。ところが、反対に戦争が起こっていないと困るごく少数の人々がいるのだ、武器商人と呼ばれる兵器産業の企業だ。信じたくない話として、その兵器産業がバージョンアップして在庫一掃する時期に合わせて、どこかの国々で紛争やいざこざが起こるなどというまことしやかな話もあり、その典型的な戦争の例があの「イラク侵攻」だと言われている(確かに、あのバクダット侵攻の際の弾薬の使い方はハンパなかったことは、ビデオ映像にも記録されている)。
第9条が改訂され、自衛隊が国防軍と名称が変更となり、交戦権が認められることで、最大の恩恵を被るのは誰なのでしょうか。間違いなくそれは安全保障条約を結ぶアメリカです。同盟国なのだから、今までは憲法上要請できなかった国外派兵はもちろん、軍隊なのですから、さらなる武器調達や基地負担の要請も当然のことです。安倍首相はそれをアメリカから迫られているのでしょうか。それを安全保障を条件とすることが裏の話としてあるのではないだろうか。そのような密約が昔から自民党政権時代にあったとしか思えないほど、今の日本にはアメリカの影しか見えません。もうそろそろアメリカのポチ犬は卒業すべきではないでしょうか。ドイツのように、アメリカと同盟関係は維持しながらも、アメリカの影響力を極力排除することに成功している先輩がいるわけで、大いにその手法を学ぶべきです。某大臣のようにナチスの手法から学ぶのではなく、ドイツの戦後政治手法から学ぶべきだと思える。(越)

 

 

 


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