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■よりみち〜編集後記

 

更新日2016/08/25

リオ・オリンピック2016が心配されたテロなどもなく無事終了した(まだパラリンピックが残ってますが…)。開催前に色々と問題が指摘され、施設の建設などの準備不足が心配され、メインスタジアムは大丈夫かとか言われていたが、さすがラテンの血が入っているブラジルらしく、のんびりムードながら、やることはぎりぎりでも間に合わせたようで、大きな問題も起こらず、気持ちのよい印象を残して閉幕した。TV中継では分からなかったが、テロ対策には真剣に取り組んでいたようで、警備のための兵士がいたるところにいて、物々しい警戒が実施されていたようだ。

どうしても、次回開催予定の東京オリンピック2020のことが気になってしまい、日本でならどう対応するのか、どうイベントを演出するのかという目で観てしまったのだが、オープニングを飾る開会式でのブラジルの見事な演出(映画監督のフェルナンド・メイレレス氏が担当)で、しっかりとブラジルの実力やポリシーを表明し、人々の心を釘づけにした。それも今までになく低予算で、エコロジカルな開会式になっていたと思う。東京2020の開会式などの演出は誰がやるのか気になってしまう。北京、ロンドン、ブラジルと映画監督が演出を手がけているようだが、次の東京を担当する映画監督が思い浮かばない。今注目の『シン・ゴジラ』の庵野秀明監督? 原発問題をからめたりして、かなりユニークな開会式になりそうだが・・・ちょっと無理があるかな・・・。

ブラジルもさぞ暑かろうと思っていたら、南半球のブラジルは8月って真冬ですからね。スポーツにはベストシーズンを選んでいたということになります。そこで、ぞっとするのが次回の東京2020です。会期は東京オリンピックが2020年7月24日(金)〜8月9日(日)、東京パラリンピックが2020年8月25日(火)〜9月6日(日)なのです。今年の天候を鑑みると、猛暑+大雨+台風+災害のピークシーズンではありませんか。連日摂氏35度以上の日が続き、夜も熱帯夜が当たり前の状態です。ブラジルでも夜からの競技開始も多かったですが、東京オリンピックでの真昼の屋外での競技は間違いなく選手からクレームが出るはず、最悪は熱中症により棄権するケースも想定されることです。そして何よりも怖いのが台風の到来です。こればかりは全く予測不能ですから、最悪の場合は競技中止で順延となったり、交通機関の麻痺によって観客の足が奪われたり、もっと最悪の場合では、競技場が災害で使用できなくなる可能性までありそうです。会期まで決まっている状態で今更日程変更などできないのであれば、最悪の想定も見込んだ万全な対応を検討しておくべきだろう。もちろんのことですが、テロ対策は言うまでもありません。

リオ・オリンピック2016で、日本はメダル獲得が最多だったとかで、次回の東京に繋がる立派な成績でした。個人的には柔道のルールが大幅に改善されて、やっと柔道の試合らしくなったことを喜んでいます。前回のロンドン・オリンピックまでのルールでは、柔道とレスリングの動きの違いがはっきりとしないくらい、組み合わない柔道が主流となってしまい、いかに相手に柔道をさせないかをテーマにしているのではないかと思うほどイライラする試合ばかりが続き観ているのも嫌になるほどで、日本で生まれた柔道が国際基準になるとこんなルールになるものかと落胆していました。日本は国際柔道の世界から脱退して抵抗すべきだと過激なことまで考えてしまいましたが、今回のリオ・オリンピックからは、がらっと日本生まれの柔道らしいルールに大幅変更されて正直驚きました。まず、足取りが反則技になったことが大きく、足首ばかり狙うまるでフリースタイルのレスリングの動きが封じられたことで組み合う柔道が復活したことが大きく、寝技に関しても、余裕をもって動きが止まり技の可能性がないことを確認しての「待て」が徹底され、寝技による一本が大幅に増えたことも柔道らしくなった要因です。

今後の柔道ルールの課題としては、どうしても「指導」のタイミングや判断に審判のばらつきが多く、技が均等の場合はその「指導」の数で判定勝ちが決まるので、まだまだ不運なケースが多いように思えます。少なくとも、5分間の本戦では「指導」数はカウントはされても判定では技のみの決着とし、延長戦を3分間にして、それでも決着が付かない場合に初めて「指導」数で判定され、それが同数であればサドンデスで無制限勝負にしたら不満はかなり減るように思える。それにしても柔道100キロ超級のフランスの世界王者テディ・リネールと日本の原沢久喜の決勝戦だけは、どういうわけか全く組み合う柔道が見られず、またリネール選手には「指導」が入らないという、ちょっとフランス柔道界の政治力を感じるほどのつまらない試合で金メダルが決まったことに落胆を覚えた。誰が観てもリネール選手が原沢選手の組み手を徹底的に外し防御だけしているとしか見えなかったのだが、一度も注意すら受けなかったことは、日本柔道連盟から厳重に抗議すべきだと思える。リネール選手自身、逃げ回って勝ち取った金メダルという認識があるから、観衆からのブーイングに苦笑していたのだと思える。フランス柔道は大いに反省すべきだろう。それにしても、後味の悪い決勝戦だった。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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