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■よりみち~編集後記

 

更新日2017/11/17



国会中継をNHKでやってくれないので、ネットでの中継で確認することになる。国会での審議を聞き続けることはシロウトには耐えがたいものがあるのだが、我慢して聞いている。ずいぶん昔にNHKでTV中継を観たことはあったが、日本の国会での独特なやり取りにイライラし始め、大臣や官僚たちがのらりくらりと答弁する姿が腹立たしくなり、それが延々と繰り返されてくるともう馬鹿らしくなって、仕舞にはオマエラ勝手にやってろという気分でTVを消してしまったものだが、最近のモリカケ問題などで、国会の場に証人喚問のような偽証罪に問われる可能性がある質疑応答をやっていると、にわかに注目せざるを得なくなってきた。そして今回は、あの衆議院冒頭解散による総選挙後、初めて開かれる国会審議である。あれだけモリカケ問題で安倍ポチ夫妻が追い詰められ、いくら国難突破解散だと公言しようとも、国民にはモリカケ隠し解散だと思われているわけで、この加計学園獣医学部新設問題を本当に正当化できるのか注目が集まっているのだが、NHKはどうしたわけか、この国民が大注目している国会審議を中継しないのである。これも安倍政権に対する忖度なのか、官邸からの圧力なのか、NHKがまともな状態とは思えない。
まずは国会の会期の短さが問題となり、1週間の予定が12月上旬まで一応延長された(実質の審議時間は10日もないようだが…)。次に与野党間の質問時間の配分の問題でもめ、審議予定が大幅に遅れることになり、2:8だった時間配分が結局は1:2まで与党側に譲歩せざるを得なくなった。とにかく、安部政権はこの加計問題の追及を逃れるため、審議時間を削るために、露骨な妨害行為に出ており、この加計問題でボロを出さないように細心の注意を払っていることは間違いない。安倍内閣からすると、国民そして野党の疑問に対しての説明責任として、丁寧に十分な時間を使って審議を重ねたが、時間切れのため終了せざるを得なくなったという筋書きを通すことsか考えていない。その後はすぐに忘れてくれるといつものようになかったことにしたいのだ。質疑応答に関しては、全く本質から外れた一般論や建前論を質問時間を潰すために延々と答弁する手法で、国家戦略特区諮問会議や内閣府と文科省の議事内容の追及に対しては、決議事項をまとめた議事要旨で述べている通りで、一切問題は報告されておらず、個別の発言をまとめた議事録は作成していないなどと、証拠隠滅を狙ったとしか思えない杜撰な回答を再三繰り替えすばかりで、全く審議がかみ合わず時間だけが経過していく状態である。
責任隠しや不正隠しにかけてはプロ中のプロの官僚組織に対して、いくら正攻法で追及しても尻尾は絶対に出さないのだ。それは当事者一人の責任問題ではなく、省庁レベルの失態、さらには官僚組織の崩壊にも繋がるため、絶対に法律的な意味での不正やミスがないよう東大出のエリートたちが訓練されているのだ。政治家の責任を回避し、自らの職責を守ることにかけては天才の官僚たちが答弁書を書いて守っているのだから、いくら弁護士出身の野党議員が質問を投げかけても尻尾は絶対に出さない。今回の元文科省事務次官の前川 喜平氏のように一連の騒動の責任を取らされて辞任することはあっても、不正などによる罷免や懲戒免職の例は記憶にはない。この国会審議さえやり過ごせたら、彼らの出世ポストは確実に用意されているはずだ、あの国税庁長官のように…。
今回の加計学園問題は、国家戦略特区に指定された時点で、安部ポチさんを忖度して、閣僚と官僚による暗黙の了解事項となったもので、誰も指示している姿が見えないように官僚たちによって巧みに操作されており、頼みの綱である公文書としての議事録が提出されない限り、誰が何を言ったという追及ができない薮の中状態であり、誰一人悪者が存在しないのだ。唯一期待できるのは、内部リークなどの告発者である。省庁には期待できないだろうが、内情をよく知っている加計学園側、今治市市議及び職員、諮問会議メンバーなど、安倍ポチさんへの忖度に疑問を持つ正義感の強い人が名乗り出てくれることを願うばかりだ。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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