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■よりみち〜編集後記

 

更新日2010/12/09


毎年、この時期がくると思うことだが、1年という月日の短さに唖然とする。特に今年の年の瀬には、脱力感が加わった感じがする。昨年の年の瀬には、政権交代という昭和時代に経験がなかった出来事に対してのほのかな期待感が加わり、時代がひょっとしたら少し変わるのではと思っていた人も少なくなかったはずだ。それがどうだろう。最近はニュース番組を見ることすら不快に思えるほど、日本の政治状況に対して落胆してしまっている。自民党の長期政権が作り出した政治腐敗を多少軌道修正し、少しはましな新しい発想が生まれ、活発な議論が起こり、試行錯誤ながらも、これからの日本の方向性なども真剣に語られるようになるのではないかという期待は、ことごとく裏切られ、唯一といってよい民主党の成果と思われた事業仕分けに関しても、強制力もないことが明るみに出され、このまま政権が弱体化し続けたら、本当に単なるパフォーマンスで終ってしまいそうな印象である。
かつて、あの小沢氏が代表代行の時期に、自民党との大連立構想を密かに画策した時に、その理由を問われて、今の民主党には政権担当能力が欠如していることが明白なので政権交代はまだ無理だからというようなことを述べたが、正しくその通りだったということだろう。野党としてしか仕事をしていない政治家集団が、いきなり官僚主導を廃止して政治主導で日本を動かすことがどういうことなのか、シミュレーションもできていなかったし、その手法もなにも持ち合わせなかった結果が今の政治的な混乱の現実なのだろう。大臣という肩書きがあれば誰もが言うことを聞くと思っていたのではないだろうか。待っていたのは揚げ足取りと失言などの粗捜し、理想を目指す政策どころか、大臣としての威厳と体面を保つので精一杯というのが現実だろう。この状態では、誰が大臣に代わろうが、今の民主党の体制では何もまともなことはできないだろう。政権交代しても、そう簡単にはいかないと感じてはいたが、これほど早く無能ぶりを露呈してしまうとは誰一人考えていなかったはずだ。
悪いことは本当に重なるもので、修正をするヒマも与えられず、どんどんと最悪の方向に向かってまっしぐらの状況となっているわけで、これは早くも政界再編の波を起こすしか、この閉塞感を打開する道はなさそうだ。今更自民党が返り咲いたところでうまくいくはずもなく、爺様議員を喜ばすだけだろう。それでいて民主党に代わる第三の党など見当たらないわけで、自民党と民主党の超党派グループが結束して、アンチ自民党、アンチ民主党の議員が終結してアンチ官僚主義を旗印に新政党を再編して政権を担当するしか、今のドンズマリ政治を打開できないように思える。実際のところ、自民党と民主党のマニュフェストなど、どこがどう違うのか言える人はいないほど、どちらも五十歩百歩の状態で、違いが出るとすれば、憲法問題くらいのものではないのだろうか。ただ、一つ怖いのは小沢氏の動きだ。政界の破壊王が目ざとく政界再編劇のシナリオを描き始めているようで、今度ばかりは、小沢氏が表面に出てしまうとすべてが台無しになってしまうことは明白で、小沢氏の腕力が確かに必要なのだろうが、あくまでも黒子としての動きに止めないと、小沢派とアンチ小沢派の論議になるだけで、政界再編どころか、日本の政治はさらなる泥沼と化すことは目に見えている。
今、政治に求められているのは政党批判や政策批判ではなく、日本のこれからのビジョンを描くことであり、西側諸国とどう付き合い、アジアとどのように連携して、日本の未来の位置づけをしていくかということで、政党同士の足の引っ張り合いや政局争いなど、見苦しいだけで、そんなことをしている場合ではないほど、日本の危機的な状況は切迫していることを認識すべきだと思うのだが、政治屋さんの皆さんとしては、選挙で勝つことしか頭にないのでしょうかね。。。

 

 

 


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