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■よりみち~編集後記

 

更新日2017/12/14



2017年もいつの間にか12月半ばになっている。毎年、この季節になると慌ただしく移り変わる世界や日本の政治や社会情勢を振り返り、大変な一年だったと溜息をつくわけなのだが、今年も例年以上に激動の一年であったことは確かなようだ。世界的にはやはりトランプ米大統領就任が大きなインパクトだった。いきなりTPP離脱、イスラム圏入国制限、メキシコ国境に壁建設(これはまだ実現できていない)を指示、このトランプ旋風が一年中続くことになった。4月には「THAAD」を韓国に配備、6月には地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱表明、10月には国連教育・科学・文化機関の「ユネスコ」から2018年末で脱退する方針を通知、そして12月にはイスラエルの首都をエルサレムに認定宣言と、ここまで本気でやるのかと思わせるアメリカ第一主義、同盟国イスラエルへの強硬支援、アラブ諸国への入国規制など、露骨な偏向路線を内外にアピールをし続けた。イスラム過激派によるテロはより過激に無差別化が進行してきたが、一方でIS(イスラム国)の勢力弱体化が進み、10月にはISの首都的な都市であったシリアのラッカが完全制圧され、事実上ISの最大拠点が崩壊した。しかし、ISの存在はフィリピンやインドネシアなどのアジア方面やエジプトやリビア、ソマリアなどのアフリカ方面に分散され、地下に潜ったテロ活動が増加し、各国内でネットによるオルグ活動で反政府ゲリラが育成され、手製爆弾や暴走車両による無差別テロが増産されることが予測される。さらに、今年大問題に成長したのが北朝鮮の弾道ミサイル問題だった。9月には北朝鮮が6回目の核実験を強行(水爆実験に成功と発表)。大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、米国が射程距離内に入ったことをアピール。それに対して、国連安全保障理事会は、北朝鮮への石油輸出を制限するなど追加制裁決議を全会一致で採択、北朝鮮の核兵器開発の即刻中止を求め、あらゆる経済制裁や規制を実施したが、それをあざ笑うかのように弾道ミサイル実験の挑発が繰り返されている。アメリカのトランプ旋風の影響なのか、世界的な右傾化の方が先なのか分からないが、各国の右傾化は深刻な問題になっている。3月にイギリス政府のEU離脱を正式に決定したことや、10月にはスペイン・カタルーニャ自治州の住民投票で独立賛成9割に達し、一旦は州議会で承認されたものの、スペイン高等裁判所が独立の無効を宣言、その後鎮静化した。各国の右傾化はますます過激化しそうな傾向である。当然日本もその傾向が顕著で、安部政権そのものが右傾化の典型だろう。
2017年の日本を振り返ると、世界がトランプ旋風に振り回されたように、安部晋三という男に引きずり回されたという印象が強い。森友学園問題の発端となったのは2月9日の朝日新聞の報道からで、加計学園問題は5月17日、「総理のご意向」等と記された文科省の文書の存在を同じく朝日新聞が報道したことから始まった。安部首相や昭恵夫人との交友関係による特別待遇が指摘され、役人の忖度による不正が問題となり、状況証拠も含め、役人の不正行為は明らかであるにも関わらず、安部首相からの直接指示や相談等の証拠がないということで、安倍政権はすべてをウヤムヤのままにして、国有地の不正売却が明るみに出てしまった森友学園に関しては、補助金詐取容疑で籠池前理事長と妻を逮捕させ、安部夫妻との関係暴露を予防し、裁判が終わるまでの接見禁止処分まで手を廻し、一方の腹心の友である加計孝太郎氏の加計学園は、国家戦略特区まで自らでっち上げ、獣医学部の来年4月認可を文科大臣に承認させてギリギリ逃げ切ろうとしている。このまま逃げ切れるとはとても思えないが、安部政権は国民の物忘れの早さを期待しているようだ。しかしながら、年末に向けて、またまた安部首相周辺の交友関係で、政治的なスキャンダルも含めた暴露記事が多発しており、安部首相本人はともかく、その周辺での政治スキャンダルによって、今後の政治活動に陰りが見え始めているように思える。そろそろ潔く自ら幕を引く準備をしておくべき時期にきているようだ。(越)

 

 

 


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