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■よりみち〜編集後記

 

更新日2013/12/26


2013年も残すところ5日となった。今年は色々なことがあり過ぎて、あっという間に年の瀬という印象である。ただ、2013年は時代の流れが大きく変わった年だったのではないだろうか。これまでの飽和限界状態の社会システム自体が大きく揺らぎ、次の流れに変わり始める境界の年だったのではないかと思える。その一つのファクターは中国の台頭だろう。2002年から続いていた胡錦濤・温家宝路線から、今年3月、習近平・李克強路線へ変更され、民族政策を厳しく、そしてネット社会に対応した人民の監視と管理の強化体制へとステップを上げ、軍事防衛方面をより強固にしてきている。それは、これまで世界の秩序を維持してきたアメリカに対する反旗であり、オバマ政権の弱体化に付け入り、国際的な舞台での地位の確立と、中国の覇権争いを公然と承認させ、米中二極体制を確固たるものにしようとしていることは明らかだろう。経済面では互いに互恵関係にあり、排除できない存在でありながら、軍事的なテリトリー覇権に関しては、露骨に主権を主張することで既成事実としてアメリカに承認させようという動きが加速化しつつあるように思える。すでにアメリカは財政破綻寸前という国内事情から、国際的な仲裁や人道支援をアメリカに求めても応えられない状況にあり、さらに中国の台頭が加速されることは明らかだろう。すべてをアメリカに頼りきっていた日本にとって、アメリカの傘の下であれば安全という時代が終った年でもあり、より成熟した未来を目指すEUや、やっと民主化が意識され始めたモスリム諸国や開発途上にあるアフリカ諸国などと、これからどのような互恵関係を独自に築き上げるられるかが日本の緊急の課題となっているように思える。アメリカとの安全保障条約は、まだ黄門様の印籠のような効力は残っているが、財政的な援助を必要とするアメリカは、今後も財政負担の注文ばかり言ってくるのは間違いなく、これまでのようなお人好しの日本のままでは立ち行かないことになるわけで、アメリカの機嫌を損ねない範囲で、より国際的な舞台での日本の存在価値を高めていく努力が必要だろう。
今年の動きの中で、どうしても気になるのが、特定秘密保護法の成立のことだ。軍事面やテロ対策として、国際的な情報の漏洩が国家的な信頼を損なうということは誰でも理解していることだが、今回の法案はさらに大きく踏み込んで、今後の憲法改正や集団的自衛権の問題などにまで利用しようという目論見が見え隠れしていて、解釈次第ではどこまでも規制することが可能な法律にいつの間にか替えられる危険性があり、時代の経過により政府や官僚の都合のいいように変化していくことがとても心配である。ましてや、時代錯誤が顕著な戦後生まれの安倍首相(とても58歳の我々の同世代とは思えないほど戦中派的な思考回路の持ち主である)が自分の使命としている憲法改正を任期中になんとしてでも成立させようと企んでいることが分っているだけに、国際的に孤立する可能性も含め、今後もしっかりと注視していかなければならないだろう。
そして、最大の問題となっている脱原発に向けて舵が切れないことだ。日本政府の優柔不断な体制により、原子力ムラ社会の復権まで現実味を帯びてきていることだ。一時的な動きとして、脱原発や卒原発の言葉が踊っていたのだが、現実としては、ダダ漏れ状態のフクイチ汚染水の処理も廃炉作業も中途半端のままでありながら、すでに来年夏に向けての原発再稼動の動きが当然のように定着しつつあり、学習能力ゼロで、痛い目にあってもすぐに忘れ去る体質がまた復活してきていることが不安を煽っている。原発の輸出も、国内の原発再稼動も一つ成功してしまえば、後は右に倣えと、一瞬のうちに脱原発の推進運動など消えてしまうことであり、なんとしてでも再稼動を中止して、廃炉先進国として、日本の技術を国際貢献として活用していく体制の変革を目指すべきであり、ここは問題は孕んでいるだろうが、小泉元首相のリーダーシップに期待するしかないのかもしれない。自民党をぶっ壊すといっていた人だから、本気を出せばまとめられる力があるはずで、若手の小泉進二郎が呼応して動き出せば、一気に自民党もまとめられ、野党再編により結集できれば、その動きはさらに加速するように思える。来年の2014年に期待するのは、脱原発に日本が本気で舵を切り、平和憲法が維持され、自衛隊が他国の戦争に借り出されるような悪夢が現実とならないことだ。時代錯誤の安倍さんや自分の保身しか考えない姑息な官僚たちをしっかり見守る必要がありそうだ。(越)

 

 

 


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