のらり 大好評連載中   
 
■現代語訳『風姿花伝』
  ~世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳
更新日2011/04/07



第三十一回
風姿花伝 その四
神儀ということについて 
申楽の始り その五

 

一、現在、南都興福寺の維摩會(ゆいまえ)において、講堂で仏へのお務めである法味を行う際、食堂で法会の余興として舞延年が行われる。これは誤った考えや災いである外道を和(やわら)げ、魔縁を静めるためである。その時、食堂の前で、お経を授けていただくが、それはかの祇園精舎の古き良き例に倣ったものである。

大和國春日の興福寺では、二月二日、と五日に宮寺において、四つの座の申楽を奉納する神事が行われるが、これはすなわち、一年の御神事初めの行いであり、天下太平を願っての、御祈祷(ごきとう)にほかならない。

なお、四座として

一、大和國春日御神事に相随(あいしたが)う申楽の四座
  外山(とび)、結崎(ゆうざき)、坂戸(さかど)、園満井(えんまんい)

一、江州日吉御神事に相随あいしたがう申楽の三座
  山階(やましな)、下坂(しもさか)、比叡(ひえ)

一、伊勢の主司(しゅし) 二座に、今主司 一座
  
一、法勝寺御修正参勤申楽三座
  新座、本座、法成寺

   この三座は

   同じく、賀茂、住吉の御神事にも相随(あいしたが)う。

 

第三十二回


 

このコラムの感想を書く

 

 

 

 


谷口 江里也
(たにぐち・えりや)
著者にメールを送る

詩人、ヴィジョンアーキテクト。言葉、視覚芸術、建築、音楽の、四つ の表現空間を舞台に、多彩で複合的なクリエイティヴ・表現活動を自在 に繰り広げる現代のルネサンスマン。著書として『アトランティス・ ロック大陸』『鏡の向こうのつづれ織り』『空間構想事始』『ドレの神 曲』など。スペースワークスとして『東京銀座資生堂ビル』『LA ZONA Kawakasi Plaza』『レストランikra』などがある。
Elia's Web Site [E.C.S]

■連載完了コラム
岩の記憶、風の夢~my United Stars of Atlantis [全57回]

もう一つの世界との対話~谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ [全24回]

鏡の向こうのつづれ織り~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回]


随想『奥の細道』という試み ~谷口江里也が芭蕉を表現哲学詩人の心で読み解くクリエイティヴ・トリップ [全48回]


バックナンバー

■更新予定日:毎週木曜日