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■よりみち~編集後記

 

更新日2011/01/20


例年よりもおだやかな正月だと思えたが、日本海側の大雪、対して太平洋側の超乾燥という具合で、今年も局地的な災害が話題になりそうな予感がする。政治の世界でも、局地的な事件が多発しそうだ。小沢問題や尖閣諸島問題で自ら蒔いた種で右往左往し、脱ダム宣言・沖縄基地移転宣言・消えた年金解消宣言・子供手当て宣言・埋蔵金発掘宣言で狼少年となり、マニュフェストという公約は単なるコケオドシにすぎないということを自ら証明してしまった民主党の無能ぶりに、日本の暗澹たる未来を嘆いている人がほとんどのように思える。誰がこのシナリオを予測できただろうか。政権交代がうまく行くはずがないことを予知していた人は多いはずだが、これほどまでにまとまりがなく、知恵もなく、無策な集団だとは思わなかったはずだ。どこがあれほど批判していた自民党と違うのか全く区別がつかない。
そもそも、共産党や宗教政党以外、政党として分かれている意味が希薄になっている。政党交付金だけのために所属している議員がほとんどではないのだろうか。政党交付金自体を廃止して、政策だけで集まるグループ分けにして、一切金銭的な利害関係を断ち切るべきではないのだろうか。そうすれば、二度と小沢氏的なフィクサーは生まれないし、議員の上下関係もなくフラットな政治家グループが生まれるはずで、選挙運動も公平にTVとネットによる政見放送とシンプルなホームページだけ(メールの送付ルールがちょっと難しい問題になりそうだが、これを選挙管理委員会が監視すればいい)にして、選挙カーで名前を連呼するような時代遅れの選挙運動を廃止すれば、それほど選挙に金はかからないはずだ。政治=金という構図を変えない限り日本の政治は変わらないことが、今回の民主党の政権交代でよく分った。小沢氏がここまで追い詰められながら、彼の政策に共鳴しているとはとても思えない若手議員からなぜこれほどまでに指示され、守ろうとする議員がいるのかを考えれば一目瞭然のことだろう。選挙に強く、資金力があり、自分を助けてくれたという恩義と黙って俺について来いという豪腕ぶりだけのように思える。
政権交代によって、自民党の長期政権と癒着してガチガチに凝り固まってしまった日本的な官僚主義がほんの少しでも改革され、腐敗構造が是正され、まともな地域主権の方向に少しでも転換するものと期待していたが、全くそんな話さえなかったかのごとく官僚制には手が付けられそうもなく、かえって地下にもぐって、より巧妙な手口で既得権を守る構造になってしまうのではないだろうか。官僚たちの高笑いが聞こえてきそうだ。(

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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