Webコラムマガジン「のらり」

■よりみち～編集後記

更新日2020/03/05

■世界中の話題が新型コロナウイルス（COVID-19）になってしまったようだ。昨年12月のヒトからヒトへの感染報告からわずか３ヶ月も経過していないのに感染は世界中に広がり、９万4,000人、肺炎で死亡した人は3,200人を越えている。最初は発生源の武漢市のある中国を中心にアジア諸国への感染拡大が心配されていたのだが、２月中旬以降は中東諸国で特にイランが2900人以上に感染し、さらにヨーロッパ諸国にも飛び火しており、イタリアでは北イタリアのロンバルディア州を中心に3,000人を超える勢いで拡大しており、すでに107人（3/5現在）が死亡している。中国の隣国である韓国は、新興宗教団体のイベントでの集団感染から拡散されほんの２週間で51人から一挙に5,766人の爆発的な感染となっており、非常事態宣言が出され、PCR検査をどこでもできる体制づくりを構築して鎮静化を図っている。日本はどうかと言えば、クルーズ船の感染管理失敗により706人の感染と6人の死亡者を出してしまったが、全国で333人の感染者と２週間で248人の増加に留まっているのだが、これは厚労省による数字のマジックのように思えてならない。韓国は自覚症状がない市民でも希望者はPCR検査で感染の有無が確認できるような体制を創り上げたが、日本の場合はまだ検査制限を保健所の医師が行っており、病院医師の判断で検査を希望しても、濃厚接触者や発熱の有無など、優先的な検査基準を満たしていないとして検査拒否されており、感染者の正確な数値が出されていないのが現状で、感染症の専門家にはすでに万単位の感染者が国内にいる可能性を指摘している人もいるほどだ。韓国でのPCR検査実施総数は延べ14万775件（3/5）に達しており、日本全国でのPCR検査実施総数は延べ8,111件（3/4）と、明らかに感染者数を意図的に少なく見せるための検査制限と考えるのが普通だろう。安部首相はヤッタ感だけを演出したヤラセ会見を２月末に実施したのだが、民間検査機関を導入してPCR検査体制を拡充して保険適用に移行して希望者が検査できるようにすると明確に宣言したが、結局はすぐにとは言っていないとお茶を濁す始末で、まだまだ先の話になりそうである。PCR検査を充実させることで、自覚症状のない相当数の潜伏期の感染者を自主隔離が可能となり、感染拡大を止める要因となることは間違いないはずで、検査の精度が悪いのであれば、定期的に検査を実施するくらい低価格で簡易化して定番化させ、自覚症状のない段階で感染防止を行うくらいやらないと、決して終息宣言などできないように思える。特に国内の感染者数が多い北海道（3/5現在、感染者83人、死亡者3人）はPCR検査実行数607件とまだまだ実施数が少なく、安価な簡易検査キットの登場を期待したい。発生源の中国では、習近平総書記長が、湖北省以外では新型コロナウイルスが終息してきていることを強調（3/5）したようだが、かなり希望的観測が含まれており、素直には信じがたいものがある。特に日本の感染拡大はこれからが本番という感じがする。

■2020年２月20日から３月５日現在のCOVID-19感染者数（死亡者数）

世界　　　　　75,690人（2,126）　　　　　94,245人（3,241） +18,555（+1,123）

中国　　　　　74,576人（2,118）　　　　　80,270人（2,981） +5,694（+863）

日本　　　　　　　 85人（1）　　　　　　　　　 333人（6）※※　　　　 +248（+5）
クルーズ船　　　621人（2）　　　　　　　　　 706人（6）※※　　　　+85（+4）

韓国　　　　　　　 51人　　　　　　　　　　　 5,766人（39）※※※※　+5,715（+39）

台湾　　　　　　　 24人（1）　　　　　　　　　　　42人（1）　　　　　　　　+18

香港　　　　　　　 65人（1）　　　　　　　　　　 104人（2）※　　　　　　 +39（+1）

タイ　　　　　　　　 35人　　　　　　　　　　　　　 43人（1）　　　　　　　 +8

フィリピン　　　　　　3人（1）　　　　　　　　　　　 3人（1）　　　　　　　　+0

ベトナム　　　　　　16人　　　　　　　　　　　　　16人　　　　　　　　　　+0

シンガポール　　　81人　　　　　　　　　　　　 112人 ※　　　　　　　　+31

マレーシア　　　　 22人　　　　　　　　　　　　　 50人　　　　　　　　　 +28