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■よりみち~編集後記

 

更新日2011/03/18


3月11日(金)午後2時46分、マグニチュード 9.0という地震大国日本においても千年に一度あるかないかと思われる(そうであって欲しいものだ…)大地震と大津波に見舞われた。札幌市内の6階にある事務所にいたのだが、これほど大地が揺れるわけがないと思えるほどの横揺れが長時間(約5分間だったらしい)続き、これはいつもの地震とは違うと直感した。真っ先に思ったのはウワサされていた東海沖大地震のことだった。もちろん津波を心配したが、まさかこれほどの大津波が襲ってくるなどとは思いもよらないことだった。ほとんどの人はそう思っていたに違いない。いつも津波警報が出されるが、TVで騒ぐほどの潮位になることは今まではなかったからだ。しかし、あとから見せられた津波の映像は想像をはるかに超えたあり得ない大きさの大津波だった。被災地はほとんどがこの津波でやられたように思える。はるか昔の日本の災害の記録に津波で何万人も犠牲になったという記述はあるものの、実感として全く理解できていなかったが、今回の大津波の映像を観ると、これほど簡単に、ほんの数分の間に多くの人々の命が失われた現実にただただ唖然とするばかりだ。47万人が避難所生活という報道にも、あまりにも数が多すぎて、彼らのライフラインをどう確保できるものなのか、想像力が追いつかない。47万人の食事、水、トイレ、風呂、布団・・・、そして家、仕事、お金、心のケアなど、やるべきことは無数にある。ここで力になるのが、14年前に経験した阪神大震災の被災者たちの知恵や他の震災で避難所生活を体験した人のアドバイスだろう。海外からの支援活動も活発で、世界中がこの大震災を自分の国のことのように応援してくれていることは心強い。日本人ならきっとこの苦難を克服できると信じてくれていることも伝わってくる。
まだまだ福島第一原発の放射能漏れ大事故も予断を許さない状況が続いているものの、チェルノブイリ原発事故のような核爆発による汚染という最悪の事態は回避できることは確実なようなので、とにかく失われた電源を復旧して炉心や使用済み核燃料の冷却が一刻も早く実施され、原子炉燃料を正常化することを日本の英知で実現することが当面の目標だろう。この未曾有の災害の教訓を活かして、エネルギー先進国へとシフトし、化石燃料から脱却して自然エネルギー開発の技術大国を目指すことが日本のミッションであり、そのチャンスを世界から与えられたのではないだろうか。政治、経済、地方自治の問題もこの災害を契機に大きく舵をきる必要性があり、マイナスをプラスに変えていく発想で、日本が生まれ変わる大きなチャンスでもあるわけで、いまはトコトン前向きに考えるしかない。・・・ところで、大震災と原発事故でリビアのカダフィさんのことを忘れていたが、あっちも大変な状況は続いているようだ。

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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