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■よりみち~編集後記

 

更新日2010/06/17


参院議員選挙が来週からスタートするらしい。最近の日本の政治状況をニュースやTVで見ていると、議員さんたちが、一体誰のために何を目的に働いている人たちなのか分からなくなってくる。選挙のために政治をやり、選挙のために法案を作っている集団になっていないだろうか。議員さんからすれば、選挙に勝って初めて議員として働けるわけで、選挙を無視しては何もできないただの人になってしまうと言うだろう。この国の選挙システムや政治プロセス、そして国会のあり方までもが、すでに時代にそぐわなくなってしまっているということだろう。参議院と衆議院の二院制が存在すること自体がもう誰もその存在意義を明確に述べることができないわけで、形骸化した無駄以外のなにものでもなくなっている。当然、本来の目的であった衆議院の暴走を歯止めすることは確かに必要であろうが、現状の参議院ではその効果など全く期待はできない。もっとまともに選び抜かれた議員が各都道府県から2名程度と人口比率別に数十名程度で衆院議員が構成され、立候補条件の第一に、政治家としての常識問題を国家試験で選抜し、それにパスした者に限定すべきだ。少なくとも介護が必要な爺さん政治家や利権しか頭にない世襲議員、そして政治の右も左も知らないタレント議員は排除でき、その選抜国家試験のレベルを選挙の際の選考基準にできるはずだ。さらに参議院は国家や憲法のチェック機関として姿を変えるべきだろう。職業政治家を一切排除して、衆議院との癒着を排除し、経費だけ支払う無報酬のボランティア議員のみとして、各都道府県の元衆議院議員から1名と選抜国家試験の合格者から1名を抽選で選抜し、国際問題と憲法問題のみの法案だけを審議して、拒否権が行使できるシステムで、衆議院への差し戻しも廃止すれば、衆議院の暴走は抑えられるはずだ。この国会システムにすれば、現在の議員定数の半分以下の議員で充分なはずで、もっと国家の法案づくりに専念でき、各自治体もこれに倣って議会を運営することになり、地域の活性化にもつながるはずだ。とにもかくにも、現在の参議院は全く無意味で税金の無駄のように思えて仕方がない。
今回、総理大臣になった管さんは、戦後初めての自民党に属したことのない、非世襲議員だとニュースで聞いて驚いた。確かに、新党日本の細川さんも民主党の鳩山さんも元は自民党からの鞍替え組みだし、旧社会党の村山さんは非自民だが、自民党がお膳立てした連立内閣だったから、市民運動から出発した管さんは生粋の非自民で、政治家の家系ではない議員が総理大臣になった戦後最初の人なのだ。その意味では、初めて庶民感覚を持った総理が誕生したわけで、いままでの自民党と官僚で創り上げてきた腐敗した永田町を改革できる可能性を秘めている。これはせっかくだから、大いに期待したいものだ。ここはしばらくマスコミもお手並み拝見で傍観していてもらいたい。50年間といえば半世紀なのだ。この長期間に渡る自民党政権の間に、官僚主義がはびこり、高級官僚だけが徳をする社会に作り変えられてしまった構図は、事業仕分けをちょっとしてみただけで明らかだろう。今度はこの膨大な公益法人と官僚の癒着システムを時間をかけて解体するしかないわけで、新しい法律ができれば、さらに新しい公益法人や新しい天下り先が巧妙に復活していく構造が全く変わっていないのだから、ここで手を緩めたら、またトカゲの尻尾のように再生し、いつの間にか復活してしまうはずだ。多少荒治療になっても、今のうちに根っこを引き抜いて二度と再生できないようなシステムを作り上げて欲しいものである。ここでまた自民党などに政権復帰されたら元の木阿弥になってしまうのだから、もうしばらくは民主党にがんばって官僚主義に風穴を少しでも開けてもらいたいものである。

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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