■よりみち~編集後記

 

■更新予定日:毎週木曜日

 

更新日2002/09/19

先週から夏休みをとっていた。いつもだったらダラダラと家で本を読んだり、音楽を聴いて過ごす「完全インドア生活」なのだが、今年は違う。福岡の実家に帰ったり、友人と御飯を食べたり、コンサートに行ったり、箱根の温泉へ行ったついでに御殿場のアウトレットショッピングモールまで足をのばしたり。しまいにゃ芦ノ湖でボートを漕いだら左手にマメまで作ってしまった。なんなんだ、このハリキリぶりは。たまたまいろんな用事が集中しただけなんだが、自分の遊び以外にも役所・病院・結婚式場・旅行会社・墓地等々、いろんなところをかけずり回った休暇だった。「夏休み疲れ」を癒すための「秋休み」でもとったらどうでしょ?と会社に提案したら怒られるかしら。(志岐


大貫妙子というシンガーをご存知だろうか。よく知っている、好きだという人はおそらく30歳も半ばを過ぎた世代。'73年に山下達郎らと「シュガー・ベイブ」を結成、解散後ソロのに転向。今では山下達郎はもちろん、矢野顕子や坂本龍一ら、昔からの友人たちと並び「シンガーソングライターの草分け」として高く評価されている。透明感のある歌声、"ナチュラル"を感じることのできる楽曲、ミステリアスでいて強い眼差し。彼女の存在感に魅了され、CDのヘヴィーリピートから抜け出せない熱心なファンも多い。多くの人に愛されている彼女の曲に『ピーターラビットとわたし』がある。これでぴんときた人もいるだろう。'82年にリリースされたこの曲は、大貫がビアトリクス・ポターの名著『ピーターラビットとなかまたち』のために書き下ろしたメルヘンチックな曲で、『DCで楽しむピーターラビットとなかまたち』のテーマソングとして収録され、20年経った今でもファンに親しまれている。同じく80年代に「NHKみんなのうた」で『メトロポリタン美術館(ミュージアム)』、民放では資生堂の春のキャンペーンテーマソングとして『ベジタブル』が流れたりもし、この時代に彼女の音楽スタイルが大衆に定着したと言えるだろう。と、ここまでの説明でもまだ「誰だよ、知らないよ」と言う人には、映画『Shall we ダンス?』の主題歌の歌い手といえばわかるだろうか(そこの人、「それを早く言えよ」と怒らない)。最近の曲はすっかり聞かなくなってしまったが、彼女の曲を自然と覚えたらしい私はカラオケでたまに歌ってみたりする。「たまに」しか歌わないのは、同世代が誰も「わからない」と言ってついてこないからだ。何故だろうと思っていたら、30代も半ばを過ぎた友人曰く、「あなたその頃小学校入学してたでしょ? 覚えてないよー」とのこと。なぜキミたちは『北の宿から』も『水色の雨』も『異邦人』も『YMCA』も『サウスポー』も歌えるのに大貫を覚えていないのだ。謎。(北村


インターネットが日常生活に入り込み始めてからどのくらいだろうか? 私にとっては、いつのまにかTVや冷蔵庫などの家電と同程度に、使えないと大変不便で困る存在になってしまった。ネット先進国の米国に比べて普及率が今ひとつ伸びず、その理由も料金的にかなり高いからと言われていたが、これまた知らないうちに(私が知らないだけか?)、日本もえらく安くなって普及しているようだ。情報通信総合研究所(NTT)の2002年5月21日付の発表では、2001 年度末時点で、日本のおよそ2世帯に1世帯、2人に1人の割合でネットを利用しているそうで、人口普及率約47%(利用人口約6,000万人)だそうだ。やっと半分なのか、まだ半分なのか? また、ADSLの月額料金(1.5Mbps)の平均では、日本3,419 円、米国7,428 円、韓国3,135 円だそうで、料金的にも米国の半額になっているらしい(ホントかな? 米国の調査数値の出典は不明)。さらに、8Mbpsのサービスでは、日本3,377 円、韓国4,076 円で、日本の方が断然安いというのだが…(米国は8Mbpsのサービスは家庭向けには未提供らしい)。もっと安くてもいいと思うのだが…。まあ、いずれにしてもすでに世界的なレベルにまで普及率も料金もなっていることは確かなようだ。当然のことながら、ブロードバンド(ADSLや光ファイバ)の常時接続が急増していて、2001年度で約77%が常時接続を利用していて、ブロードバンドも2001年度では世帯普及率8%(約390 万世帯)だが、2005年度には66%(約3,200万世帯)、4年間で8倍になると予測している。たぶんその頃にはTV電話が日常化して、TVとパソコンの区別もなくなっているのかもしれない。すでにウィルスなどの問題が浮上しているし、コミュニケーションの形態の変化によるトラブルも多発しているわけで、ネットの普及を手放しでは喜べなくなっているが、今さら原点に戻ってエアメールでお手紙という気持ちにもなれないほど、ネットに頼ってしまっていることは確かだ。でも、直筆の手紙をもらうと、とてもほっとした気持ちになるし、以前よりも有り難味が増した感じがするわけで、忘れがちなアナログのよさもさらに見直されるとよいのだが…。(