のらり 大好評連載中   
 
■よりみち~編集後記
更新日2019/10/10




瞬間風速60mを超すと予測される巨大な台風19号が、10月12日(土)13日(日)にかけて西日本・東日本を直撃すると、先週末くらいからメディアで盛んに報道され、前回の15号で千葉県や神奈川県が大被害を受けたばかりなので、追い打ちをかけた大災害になる可能性があると、今回は15号での反省なのか、どこもかしこも大変だと騒ぎ立てています。今までの台風情報の流れでいくと、最大限の可能性を並べたて、日本に接近するに従って進路が逸れたとか、陸地に近づいて勢力が極端に落ちたとか、途中で熱帯低気圧に変化したとかで、なんだ過熱報道の割に大したことなかったという結果が多かったのだが、ここ数年の台風や豪雨災害の場合は、予想以上に被害が大きく、今まで災害の記録がなかった場所にまで被害が拡大しているケースが増えている。特に今回の台風15号にいたっては、千葉県に局地的な大災害で発生し、さらに高圧線の鉄塔倒壊による長期停電により、これだけネット通信が普及したにもかかわらず情報不足で大混乱し、かなり復旧が遅れたり、連絡の不手際などが指摘されている。未だに屋根のブルーシートが目立つ地区が多く、そこにさらに巨大な台風直撃の可能性が大きくなっており、被災者がダブルパンチを受けそうでとても気の毒な状況にある。

これだけIT技術が進化し、ロケットやミサイルなどの軍事や宇宙技術が発達し、アメリカにはすでに宇宙軍が創設され宇宙戦争が現実化しており、ドローンによる無人攻撃やロボット戦士も実用化が近い。身近なところでは、自動車や列車などAIによる自動運転も十年後、いや数年後には日常化しそうな勢いである。しかしながら、地球上で絶え間なく発生している天変地異に対して、あまりにも無防備で的確な災害対策が全く発明されたり、発表されないのは何故なのだろう? それも地球の温暖化による異常気象であることも相当昔から分かっていることで、工業化、文明化が森林破壊、砂漠化を拡大し、異常気象をどんどんと激化させていることもすでに研究者の間では常識化していて、温暖化対策が声高に叫ばれているにもかかわらずである。シロウトの夢想として、SF映画にあるようにロケットやミサイルで台風の進路を変えて大都市の直撃を避けたり、AI技術などにより火山の大噴火や大地震を予測して、事前に避難を完了させたりできる時代ではないかと思うのだが、天変地異に関しては、神のみぞ知る世界のままで全く技術的な進歩がみられない(我々が知らない部分で進歩しているのだろうが、残念ながら分析は進んでも対策的にはほとんど聞いたことがない)。天変地異対策技術ではカネが産まれないし、企業レベルの技術ではないから予算が出ないからだろうか? 軍事や宇宙技術は国家に売り込みが可能だから企業がたっぷりと予算を組む、自動運転技術が開発されたら企業としての利益は膨大なものだろう。ところが火山や地震そして気象対策となると、企業が入り込む余地がない。結局、国家の直接プロジェクト以外に技術開発は不可能なのかもしれない・・・特に今の安倍ネツゾウ政権ではあり得ない話だ。研究開発の先頭を走る大学や研究機関を縮小削減するのに忙しく、加計学園や幸福の科学大学のようなどうでもいいい学校ばかり立ち上げる政権ですから、とても技術先進国の夢など語るのも馬鹿らしくなりますね。(越)

 

 

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

このコラムの感想を書く



のらり編集部

著者にメールを送る


バックナンバー

■更新予定日:毎週木曜日