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■よりみち~編集後記

更新日2022/11/24





サッカーのワールドカップ2022がカタールで開催されている。サッカー好きの皆さまには申し訳ないが、私は超大物プレーヤーであるアルゼンチンのメッシやポルトガルのロナウド、ブラジルのネイマール(裁判で話題になっていましたが、訴訟は取り下げられていたんですね…)、発音がとんでもなく難しいフランスのエムバペ(エンバぺ、ムバッペ、ンバッペとも呼ばれているようです)、そしてクロアチアのモドリッチなどくらいは知ってはいるものの、とてもサッカー通と言えるほどの知識はなく、今現在の日本代表メンバーも、GKの川島や長友や吉田、酒井などの古株メンバーはもちろん知ってはいるが、遠藤や南野、板倉、そして堂安、浅野、久保となると実力があることは分かっているが、次世代メンバーだった彼らが中枢となってどれだけやれるのか、それほど分かっていない程度のサッカー観戦者なので、ワールドカップを語るにはちょっと力不足なのは十分知っているのだが、2022年11月23日の初戦、ドイツ戦は日本サッカー史に燦然と輝く歴史的試合になったと思うので、書いておきたいと思います。

前半早々、FW前田のカウンターアタックによる見事なシュートが決まったが、オフサイドでノーゴール。日本が対等に勝負できる相手であることをアピール。これでドイツの戦法が変わったように思える。前半33分、ドイツのFWギュンドアンがGK権田と接触、権田のファウルによりPKが与えられ、見事に決められ、日本に暗雲が立ち込める。やはりドイツの壁は硬い。ボールコントロールができない。得意のカウンターアタックも封じられてしまった。

後半早々、MF久保から冨安、長友から三笘、前田から浅野へ交代し、フォーメーションが変わりかなり動きが出始め、ドイツに余裕を与えないプレーが増えてくる、さらにMF田中から堂安、DF酒井からMF南野へ交代、その4分後の後半30分、堂安の中央突破の見事なシュートで同点に追いつく。これで一気にボルテージがマックスとなり、敗戦の恐怖から一気に勝利の可能性まで開けてきた。さらに8分後の後半38分、敵陣からのフリーキックを得、最前線のFW浅野を狙った超ロングキック。そのボールを見事にオフサイドトラップを潜り抜け、ドイツのDFとの一対一の競り合いを制し、ゴール左端へ一直線に進み、ドイツの守護神GKノイアーの構えるゴールの左上にシュートを放つ。まるでエアポケットのようにそのボールの入る隙間ができ、ボールが突き刺さった。百戦錬磨のノイアーが呆然とする奇跡的なシュートが決まったのだ。

日本サッカー史でドイツに逆転する試合は初めてのことだ(同点試合が最高だった)。ついにホンモノの「ジャガー浅野」が出現した瞬間だった。あのパワー、あの突破力は動物的なもので、今まで空回りばかりしてきた印象が強い。そのパワーを信じ続けて起用を続けてきた森保監督の采配が見事に当たった瞬間でもあった。同点ゴールの堂安も必ず得点に絡むポジショニングで定評があり、動物的な能力が今回活かされたように思える。二人のストライカーが常にゴール前で絡み、そこにドリブラーの三笘や南野が相手を崩し繋げていくスタイルが確立できれば、難敵スペインでさえも慌てさせる存在になるはずである。次のコスタリカ戦ももちろん重要だが、その先にある決戦のスペイン戦に向けて、切磋琢磨して取り組んで欲しいものです。日本サッカーは褒められて伸びる成長期の子供のような存在で、ワールドカップでの成功によりその実力を上げてきたように思える。今回のカタールワールドカップ2022で、ひょっとすると世紀の大どんでん返しが発生するかもしれない。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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