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■よりみち~編集後記
更新日2019/12/12




今年も安倍ネツゾウさんに振り回され続けた一年だったように思える。思い出すと2017年の年の瀬は森友学園問題で不正売買契約の件で追及が続いていたし、昨年の2018年の年末には、加計学園問題で国会での証人喚問が拒否され、モリカケ問題の公文書の隠ぺい、改ざんについての追及が越年していたわけで、今年の年末も「桜を見る会」での公文書廃棄問題で国会審議から逃亡した状態で、モリカケ問題と同様に、審議時間切れで逃げ切り、忘れさせる作戦がまた始まった状態となっている。このモリ・カケ・サクラ問題の共通する大問題は、公文書の保存管理、そして公文書の公開原則を政府自らが法を破っていることだ。公文書の改ざん、公文書の隠ぺい、そして最期は公文書の廃棄までに及び、これではこの政府を誰が信用できるだろうか? そして、この悲劇が公文書の番人であり、その生命線となる国家の官僚組織が、人事権を握られている弱味はあるだろうが、官邸の言いなりとなり(言われる前に忖度して実行しているのだろうが…)、公文書を改ざんし、隠ぺいし、シュレッダーにかける仕事をしていることだ。もうプライドも何も持ち合わせていないことは明らかだ。先進諸国の情報公開法は徹底されており、その情報公開を統括する内閣府が、公文書の廃棄を推進することなど考えられない暴挙である。この政権の壊れ方は呆れて誰ももう付いていけない状態である。完全に狂っているとしか思えないのだが、以前は政治家の横暴に対しても、官僚組織がしっかり行政を守っていたから、どんなに国会が荒れても安心していられたのだが、官僚が官邸のヨイショしか考えていない茶坊主集団になってしまうと、本当に日本政府は大丈夫かとおもえてしまう。それでも、安倍ネツゾウ政権の支持率がそれほど落ちないとはどういうことなのかさっぱり理解ができない。まるで催眠状態に入っていて、安倍信者として暗示にかけられているのだろうか? 野党共闘についても、期待は出来そうもないようだ。結局、安倍政権から脱却するためのインパクトのある強力なリーダーシップが待ち望まれているだが、現状の野党のレベルではとても太刀打ちできないことは明らかで、本気で政権交代を狙うのであれば、極論になるが、「山本太郎」を総理に担ぎ上げ、野党を結集して新党を創り上げるくらいのことをしなければ未来は全くないと思える。安部・麻生・菅たちの見切り方は、実践体験の蓄積によるもので、この程度の問題なら数ヶ月で忘れ去られる、何ヶ月後には現場復帰できるなど、この政治分析はプロのアナリストがいるのではないかと思えるほど正確で、彼らが考えている通りに進行しているから恐ろしい。それに対抗するにはインパクトが強力なパーソナリティをその核に据えるしかないのだと思える。山本太郎を首相には無理というなら、とにかく「れいわ新選組」と野党共闘で協力して安倍政権に対抗するしかないと思う。彼を決して敵に回してはいけない。(越)

忘れてはいけないので、モリ・カケ問題を整理しておきます。

■森友学園問題

2013年9月 「日本初で唯一の神道の小学校」 

2014年4月 「安倍昭恵氏から『いい土地ですから、前に進めてください』と言われた」

2015年3月 「軟弱地盤で貸付料の減額交渉」

2015年6月 「昭恵氏が名誉校長に就任」

2016年6月 「新たなゴミを訴え、その後に売買契約」
         鑑定価格は9億5,600万円が、ごみ撤去費8億1,900万円等を値引き
         総額1億3,400万円で契約済み。売却額は非公表

2017年2月 「私や妻が関係していれば、首相も国会議員も辞める」

2018年3月 「公文書改ざん発覚」 → 佐川国税庁長官辞任(元財務省理財局の担当局長)
         財務省は14件の決裁文書の改ざんを認め、佐川氏主導を認定し、20人を処分。

2018年5月 「大阪地検、捜査対象38人全員不起訴処分」

 

■加計学園問題

2013年12月 成長戦略として「国家戦略特区」導入

2015年2月  「日本再興戦略」で獣医学部の新設に言及

2016年1月 諮問会議「広域的に存在しない地域に限り」
       京都産業大学、獣医学部新設提案を断念

2017年1月 加計学園が国家戦略特区の事業者に認定
       首相が「加計学園の獣医学部新設計画を初めて知った」

   3月 加計学園が文科省に獣医学部の設置を申請

   5月 朝日新聞 加計学園問題を追及
       「新学部『総理の意向』 文科省に記録文書 内閣府、早期対応求める」

   11月 加計学園の獣医学部新設を認可

2018年4月 愛媛県今治市に岡山理科大学獣医学部として開学

      安倍首相が長年の友人である加計理事長の念願であった獣医学部新設のために、
      「私情で公のプロセスをねじ曲げたのではないか」という疑惑は全く払拭されていない。


 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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