■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2005/01/13


今年の正月はスマトラ沖大地震&大津波という大事件があったせいもあるかもしれないが、個人的には正月気分に欠けたなんともあっけない連休となった。最近特に、正月というものに昔のような厳かな気分がなくなったように感じる。これはどうも私だけではなく多くの人が実感していることのようだ(紅白歌合戦も観なくて当たり前になってきた)。その一番の要因が、商店などが休まなくなったからではないだろうか。昔は、正月の3日間は間違いなくどこのお店も初売り以外は開けておらず、年末に食料を買い込んだりして、しっかりと準備をする必要があった。それがどうだろう。コンビニはいつもどおりに深夜営業だし、初売りは元旦から、元旦も休まず営業というレストランもあり、31日に年越しそばを食べ、元旦だけは正月を祝うお雑煮を食べるという慣習がかろうじて残っているだけのような感じがする。あまりに寝てばかりいる正月ではつまらないと思い、上野の森美術館に1月3日で終わってしまうという『大兵馬俑展』を観に行ってきた。以前からこの秦の始皇帝が作ったとされる兵馬俑の現物を観たいと思っていて果たせなかったので、せめてその展覧会でも観ておきたいと思ったのだ。期待はそれほどしてはいなかったのだが、そのスケールの小ささにがっかりした。推定7千体とも言われ、現時点でも発掘はまだ一部でしかない兵馬俑であり、そのスケールの大きさが世界の注目を浴びたわけだが、今回の展覧会にはいろいろ事情があるのは分かるが、わずか十数体の兵士とレプリカばかりで、とても「大」のつく兵馬俑展とは言いがたい。さすが正月だけあってすごい来場者数で、ちまちました展示に人の頭ばかりが集まるという最悪の展示環境で、ビデオでパノラマの兵馬俑を観ていた方がよほど感動するのではないかと思えた。翌日は口直しに家族でイチゴ狩りに出かけた。正月にイチゴ狩りなどやっているのだろうかとネットで検索してみたら、正月3日からオープンの農園が結構あった。厚木市内にある農園に行ってみた。こちらも兵馬俑と同様に人ごみなのかなと思っていたら、広いビニールハウスに我々だけで、30分食べ放題1,500円。以前の経験を活かして、まずはコンデンスミルクはつけないで食べ、ちょっと飽きがきたところでミルクをつける。とはいうものの1,500円分(約3パック分)を食べるのはちょっと大変。最初の勢いはすぐになくなり、1パック分を超えるころにはもう満腹。しばらくイチゴは見たくない気分である。トム・ハンクス主演の映画『ターミナル』も正月に観た。あとでスピルバーグ監督作品だと分かってちょっとショックだった。正直言って、『ポーラーエクスプレス』のトム・ハンクスの方がよほどましと思える(はじめてCGの魅力を感じた作品だった)。ターミナルのシナリオは面白いのだが、なぜこれをトム・ハンクスが演じる必要があるのか理解しがたく、無名でもクラコウジア人(グルジアのひっかけかな)が演じた方がよほど説得力があったのではないだろうか。ストーリーの面白さの一つがNYの空港に到着した全く英語を理解できない異邦人の主人公の存在であり、その頓珍漢ぶりが笑えるわけで、いくらトム・ハンクスがクラコウジア人になりきったつもりでも、観客にはどう見てもアメリカ人としか見えないわけで、過剰な演技が痛々しく見えてしまうわけだ。それに、日本人にとってアメリカの入国管理に関しての法律がなじみが薄く、かなり日本とは違っているので理解に苦しむ部分が多い。この作品は本国アメリカで話題になっても日本ではちょっと無理があるのではないだろうか。アメリカという国のおおらかさなのだろうが、ビザの取得などが厳しい割に入国審査はおおざっぱで、一旦入国してしてしまえば移民局などにたれ込まれない限り、国内でパスポートを見せる必要はなく、出国に関してもほとんどフリーパスの国なのだ。移民で成り立つアメリカならではの法律のようだ。9.11以降入国審査がかなり厳しくなったと聞くが基本は変わらないだろう。というか変わって欲しくないものだ。(

 

 

 

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO