のらり 大好評連載中
2026/01/15掲載

■新・汽車旅日記
~令和ニッポン、いい日々旅立ち
 
第753回「鉄道スクエアと黒壁スクエア - 長浜駅 -」
 
旧長浜駅舎の内部は出札口や1等2等待合室が残されていた。鉄道と船が分単位で乗り継げるはずもなく、旅客はこの駅で列車あるいは船を待った。暖炉もしつらえてあり、冬の寒さを物語る。駅長室も当時としては立派な部屋だったはずだ。なにしろ国家事業の鉄道である。駅長は高級官僚だろう。しかし座ってばかりではいられなかったようで、当時の北陸本線、柳ヶ瀬駅まで7駅の駅長を兼務し、列車に乗り込んで切符の木札を売っていたという。明治時代が始まったばかりで通貨も新旧あり、天保銭、文久銭、一厘銭が混じっていた。売上の集計も複雑だったという。身体と頭脳を駆使した初代長浜駅長高橋善一氏は、その働きが認められ、初代東京駅長に任命されている。長浜駅舎とつながる長浜鉄道文化館は、北陸本線などの歴史解説の展示が興味深い。開業当時の長浜駅の模型があって、線路は行き止まり、駅舎から桟橋までのつながりがわかる。行き止まった線路の先…

杉山 淳一

杉山 淳一     

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2026/01/15掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第518回「流行り歌に寄せて No.313 「うそ」~昭和49年(1974年)1月25日リリース」 
中条きよしと聞いて、真っ先に思い出すのは『新・必殺仕事人』の三味線屋の勇次である。三味線の糸を操り、相手の首を締め上げる殺し技。後れ毛が艶かしいクールな風貌。三味線屋であり、また三味線と端歌などの師匠もしており、夜になれば日ごと女遊びに出かける。それでいて、山田五十鈴演ずる「りく」という名の母親を、心の底から慕っている男でもある。実に艶のある役柄で、女性ファンには堪らない魅力があると思う。男の私も、「うん、これは」と深く感心し、唸りながら観ていたものだ。あの演技。彼は歌手よりも、元々役者志望の人だったからできたのだろう。郷里の岐阜市の岐阜東高校の商業科を中退後に、船乗りとして働いていたが、どのような経緯があったかは分からないが、その後、役者を目指し大阪の劇団に所属する。劇団の公演中のことだろうか、ある時、プロの歌手の前座で歌う人がいなかったため、ピンチ・ヒッターとして歌ったところ…

金井 和宏

金井 和宏   
   
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2026/01/22掲載

■西部夜話
~酒場サルーンと女性たち 

第24回「酒場サルーンと女性たち その24」

■歴史に残る駅馬車の御者、片目のチャーリー up
駅馬車と言うと誰しもが即思い出すのは、ジョン・ウエインとジョン・フォードの名作だが、史実として西部史に名を残し、立志伝的に語り継がれた名御者は数々いる。ジョン・フォードの映画ではインディアンの襲撃に遭い、あわやと言うところで奇兵隊が駆けつけるといういかにもハリウッド的な展開だったが、駅馬車は常に襲われる危険があった。郵便書留だけでなく、乗客もそれなりに資産を持って辺境を訪れる者が多かったから、当然、お金や貴金属を持っていた。インディアンよりも、ならず者が強盗を働く方が圧倒的に多かった。 ここに登場するチャーリー・パークハーストは“片目のチャーリー”とか“6頭立てのチャーリー”と呼ばれ、ともかくタフな上、馬の扱いも巧みなら、射撃の腕も群を抜いていたから、ならず者の間で「あいつが御者なら、襲撃は止めだ」という風潮があったほどだ。 チャーリーは…

佐野 草介

佐野 草介  

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2026/01/22掲載

 

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第931回「一人暮らしの老人と介護保険」up
私の義理のお兄さんが亡くなりました。私のダンナさんのお姉さんの夫です。享年86歳でした。これで私に四人いた義理の姉は(姉の一人はすでに亡くなっていますが)全員寡婦になり、一人暮らしになりました。私の方は私が最年長ですから、直接の親族を含め、義理の弟、妹まだ誰も欠けていません。 それにしても、親、兄弟、親族に一人暮らしが増えてきました。一人暮らしの方が気楽で良い、今まで散々頑固な旦那さん?の世話をし続けてきたから、夫が亡くなり、やっと思い切り羽を伸ばせると、一人になった途端に急に元気百倍になった寡婦もかなり目にしました。それでも、身内に一人暮らしの老人がいるのは気掛かりなものです。一つの大きな理由は、万が一、トイレ、お風呂場などで倒れても、誰か子供たちでも来るまで、連絡の取りようがないことです。私の寡婦だった叔母は台所で倒れ、死んでいるのが見つかりました。脳溢血でしたが、倒れてすぐに救急治療をすれば、不自由な身体になったかも知れませんが、数年行き延びることが …

グレース・ジョイ

Grace Joy(グレース・ジョイ)
      
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2026/01/22更新

■鐘を鳴らそう 鳴らせば鳴る鐘が、まだあるのだから ~音羽信の心に触れた歌たち~
第16回「テンペスト by ボブ・ディラン」
 up
2012年にディランが、物語詩人としての面目が躍如する金字塔ともいうべきアルバム『テンペスト』を発表した。『テンペスト(嵐)』は、シェークスピアの遺作となった戯曲の題名でもあるが、ディランはその題名で14分もの長さの歌を書いた。それはちょうど100年前の1912年の夜、船の進路を見守る役目を持つ見張り番が居眠りしていたために、進路の先にあった巨大な氷山に激突して沈没した豪華客船タイタニック号をモチーフにしたものだった。タイタニック号は、第一次世界大戦前の、イギリスなどヨーロッパの先進国が、後に『ベルエポック(美しい時代)』と呼ばれることになる繁栄を謳歌していた時代の象徴の一つとして建造された豪華客船だった。ディランがその歌をどうして『タイタニック』としなかったのかはわからない。ただディランを知るものはどうしても、その題名に寓意のようなものを感じずにはいられない。どうしてアルバムのタイトルにシェークスピアの遺作の題名をつけたのか? そして同じタイトルで45番まである長い物語詩をなぜ書いた…

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音羽 信   

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2026/01/15掲載

■よりみち~編集後記  
2026年の「のらり」初更新ということで、どんな一年になるのか考えてみようとするのだが、日本はもちろん世界でも世の中の流れが速すぎて思考が追い付かないと言うのが本音のところだ。元旦からの世界と日本の動きをまとめてみた――15日間の世界の情勢をウォッチしてみて、いきなり1月3日の米軍によるベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領夫妻の拘束には正直驚かされた。まさか本気でやるとは誰も思っていなかったので、衝撃的だった。国際法でも国連憲章でも完全に違法な攻撃であり、トランプ以前に実行していたなら、とんでもなく批判され国際裁判になっていた可能性もあるはずだが、アメリカ最優先を公約にして大統領に再選されたトランプがやることは、もう誰も止められない暗黙の了解となっており、1823年という今から200年も前のモンロー大統領の教書に立ち戻ってアメリカの帝国ナショナリズム復活を宣言したような状況に陥っている。これは明らかに狂っているとしか言いようがないのだが、トランプ・マジックで、アメリカ最優先のためだからしょうがないとでも国民は思っているのでしょうね。当然のことですが、アメリカの属国…

よりみち

のらり編集部

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※※※ のらり編集部より更新お休みのお知らせ ※※※
1月29日(木)から2月12日(木)まで
編集人の一身上の都合により『のらり』更新をお休みさせていただきます。
大変ご迷惑をお掛けしますが、再開までしばらくお待ちくださいますようお願いいたします。
【のらり編集部】

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