のらり 大好評連載中
 
2017/04/27掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第627回「雪見コーヒー − こまち14号 1 −
鉄道紀行の古典『阿房列車』で、作者の内田百寮萓犬蓮⇒兒がないけれど汽車に乗るから楽しいのであって、帰りの汽車は帰るという用事があるから楽しくない、という名言を残された。本当にその通りで、帰りの列車は楽しくない。特に夜の帰りの新幹線は辛い。しかし、そこで諦めたら負けた気がする。楽しく変える方法もあるはずだ。新青森から秋田回りにした理由は、帰り道を楽しむためだ。秋田新幹線“こまち”に乗っていなかった。奥羽本線も田沢湖線も乗っているから、未乗路線ではないけれど、秋田新幹線としては乗っていない。ここにすこしモヤモヤがあって、乗ればスッキリする。だから明るいうちに乗りたい。男鹿線や秋田内陸線へ寄り道したい気持ちもあるけれど、今夜からの仕事に差し支える。“こまち12号”は09時12分発。およそ30分後だ。駅前散歩の時間はない。ひとまず跨線橋へ上がってみると、鉄道関連の展示物が並んでいた。E6系やD51形蒸気機関車の模型、D51形の部品の実物もある。

杉山 淳一

杉山 淳一

バックナンバー

2017/04/20掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第325回「流行り歌に寄せて No.130 「唐獅子牡丹」〜昭和40年(1965年)」

以前にも何回か書いているが、私は昭和から平成に元号が変わる頃から8年ほど、断続的にいくつかの原子力発電所で放射線管理業務に携わっていたことがある。サイトに滞在していたのは、この間全部合わせてで4ヵ月ほどになったと思う。作業場である原子炉建屋に入る際は、それこそパンツ一枚を残して、下着からすべて防護服に着替えるわけである。それぞれの持ち場は違っても、同時に何十人もの作業員が一箇所で同時に着替えるのだが、その場で背中に彫物をしている方々を、かなりの数見た記憶がある。彼らは、今の私とほとんど変わらぬ50歳代から60歳代の人々が大半を占めていた。だから、40歳代前半までの勢いのある肌とは違い、施された例えば般若の面の彫物も、何か縮こまっていて、まるで泣いているような表情を見せていた。但し、狭い場所ゆえに身体をぶつけてしまった時、一瞬見せる彼らの睨みが効いた表情には、こちらを竦ませるには充分な力があった。
金井 和宏 金井 和宏 

バックナンバー
2017/04/27掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部女傑列伝 4
 
第2回「パール・ハート 〜流れ流れてアリゾナ・フェニックスへ」 [新連載] 

人が町から町へ流れ歩くのは、その町でのシガラミを切り、噂に聞いた次の町で新しい人生が開けることを期待するからだ。今度こそ、次の町で更生してみせる、成功してみせる、と夢を追うのだ。それが、次の町、そして次の次の町へと、ほとんど渡り歩くのが習性になってしまった自分に気付かず、同じことを繰り返すのだ。パール・ハートはそうやってアリゾナ州のフェニックスに辿り着いた。そこで、夫のフレッド・ハートに捕まってしまったのだ。パールのような女性を探し当てるのは、それほど難しいことではない。パールの落ち着く先は酒場、サロンバーしかないのだから、丹念に噂を辿っていけば、必ず行き当たる。フレッドは若くキュートなパールに執着があった。それまで数え切れないほど何度となく、パールはフレッドの元から逃げ出しているが、その都度、フレッドに探し出され、ヨリを戻している。外目には分からない男女関係の妙とも言える…

佐野 草介 佐野 草介 

バックナンバー
2017/04/27掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第510回「実はハデ好きな日本人…」
 
日本的な感覚として、主に私たち外国人向けに、ワビ、サビ、そして幽玄、静寂のことをよく聞かされますし、それに同調するかのように、禅に打ち込む外国人も少なくないようです。私も、外国人の前で途端に張り切るタイプ、およそ日本文化論とは縁もゆかりもなく、そのような知識をまるで持たない日本人から、ワビ、サビのことを説教されるように聴かされたものです。 あれは疲れます。私の印象では、日本人はギンギラした派手ハデしいものがとても好きだと思います。どこからワビ、サビなどという感覚や言葉が出てきたのか不思議なほどに、すべてにギンギラなのです。挙げれば限がありませんが、まずテレビのバラエティーショーのバックは趣味の悪さを競っているかのようにドギついネオンカラーで埋め尽くされていますし、ニュースショーですら、背景にはわけの分からない似非日本風の建物や庭をあしらったりしてしてます。テレビのドギついハデハデしさは、一般的に派手好きだといわれる…

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
バックナンバー
2015/10/15掲載

■現代語訳『枕草子』
〜表現哲学詩人谷口江里也が翻訳

第17回「市は、辰の市」  
市は、たつの市、さとの市、海石榴(つば)市など、大和には市のついた町がたくさんあるけれども、長谷寺にお参りをした人が、必ずのようにこの地に泊るのは、観音さまとのご縁を大切にしたいという、特別の気持があるからだろう。ほかにもこのあたりには、おふさの市や、しかまの市や、もちろん飛鳥の市もある。峰といえば---峰といえば、ゆづる葉の峰、阿弥陀の峰、そしていやたかの峰。原には---原には、みかの原、あしたの原、園原なんていうのもある。淵には---淵には、かしこ淵というのがあるけれども、一体どういう気持で、どなたがそうと教えて、そんな名前になったのだろう。青色の淵なんていうのも面白い。まるで蔵人が着るお召しのよう。ほかにも、隠れの淵や、いな淵なんていうのもあって面白い。海といえば---琵琶湖のみずうみ、与謝の海、そして、かはふちの海。陵には---陵みささぎには、うぐいすの陵、かじはぎの陵、そして、あめの陵などがあって、どれも歌に歌われして風情がある。

谷口 江里也 谷口 江里也

バックナンバー
2017/03/30掲載

■よりみち〜編集後記  

インターネットによるIT技術や科学技術がますます進化する一方で、世界中で退化や劣化現象が起こっているのが不気味でしょうがない。明るい未来の展望が語られている隣で、100年前の世界を理想化して逆戻りしたがるスーパーナショナリズムの人々やネトウヨたちが声を上げ始めている。ことの起こりはよくは分からないが、アルカイーダによる9.11のNYテロあたりからかもしれない。アフガニスタン内戦、イラク侵攻、アラブの春、ISの台頭、シリア内戦、そして政情不安からくる激増する移民・難民問題、イギリスのEU離脱や難民受入拒否を契機とするネオナチ的な排外主義政党の躍進と繋がり、今年2017年にはまさかのトランプ大統領の誕生と、まさに坂道を転げるように保護主義や超保守政党が世界中に拡大している。この世界的な現象はやはり格差社会の歪みからきているのだろう。「世界の資産保有額の上位62人の総資産は、下位50%(36億人)の人々の総資産に匹敵」<オックスファム;経済格差に関する最新報告書『最も豊かな1%のための経済』>

よりみち 「のらり」編集部

バックナンバー

  バックナンバー インタビュー
のらりギャラリー
A garden of the spring


<<佐野 草介の著書>>

kindle版
貿易風の吹く島から
カリブ海のヨットマンからの電子メール

Kindle版 
04/25/2017発行


 


  ■フロンティア時代のアンチヒーローたち [全151回] 〜西部アウトロー列伝 Part1:Butch Cassidy(ブッチ・キャサディ)
佐野 草介
佐野 草介
■グレートプレーンズのそよ風 [計28回] 〜アメリカ中西部今昔物語
Grace Joy(グレース・ジョイ)
グレース・ジョイ
■貿易風の吹く島から [全157回] 〜カリブ海のヨットマンからの電子メール
佐野 草介
佐野 草介
■くらり、スペイン [計94回] 〜移住を選んだ12人のアミーガたち、の巻/〜イベリア半島ふらりジカタビ、の巻
湯川 カナ
湯川 カナ
■拳銃稼業 [全58回] 〜西海岸修行編
中井 クニヒコ
中井 クニヒコ
■現代語訳『風姿花伝』 [全63回]
 〜世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

谷口 江里也
谷口 江里也
■随想『奥の細道』という試み [全48回]
 〜谷口江里也が芭蕉を表現哲学詩人の心で読み解くクリエイティヴ・トリップ

谷口 江里也
谷口 江里也
■鏡の向こうのつづれ織り [全24回] 〜谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空  
谷口 江里也
鏡の向こう
■もう一つの世界との対話 [全24回] 〜谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ  
海藤 春樹_人形_IMAGES 谷口 江里也_詩_TEXT
もうひとつの世界
■岩の記憶、風の夢 [全57回] 〜my United Stars of Atlantis
谷口 江里也
岩の記憶
 

【のらり】更新ニュースを毎週発行しています。 ご希望の方(不要の方)ご登録ください。サンプル
※注意:現在、ジャンクメール増加のため自動登録を中止しています。こちらから「ニュース希望」とご連絡ください。


  TOP-トップページ》 《コラム一覧 》 《のらりインタビュー》 《コラム・バックナンバー
……………………………………現在連載コラム……………………………………
新・汽車旅日記 】 【店主の分け前 】 【フロンティア時代のアンチヒーローたち 〜西部女傑列伝4
 【亜米利加よもやま通信 】 【現代語訳『枕草子』 】 【よりみち
………………………………掲載完了イチオシコラム………………………………
[拳銃家業 ] [貿易風の吹く島から ] [ くらり、スペイン ] [グレートプレーンズのそよ風 ]  
  [フロンティア時代のアンチヒーローたち ]

     

このサイトに関するご意見・ご感想・お問い合わせはこちらまで。
Copyrights 2017 Norari