■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

更新日2004/01/29


巷ではIP電話(インターネットフォン)が普及してきているようだ。YahooBBのBBフォンがその先駆けだが、同じ電話だが一般電話回線ではなくインターネットを使って通話ができるので、通常使用していてもIP電話という実感はない。でも互いにネットへ常時接続であれば、電話料金はかからない。なんともありがたい電話である。もっと普及して電話がタダになればいいと誰でも思うはずだ。ところがこれが頭痛のタネになっている会社がある。元電電公社だった某電話会社である。民営化する際、インターネットフォンが普及するなど考えてもいなかったわけで、市内網と長中距離、国際という会社間の縄張りをつくって、それぞれ仁義を守ることを決めて分割してしまったのだ。ところが、インターネットフォンは距離はまったく関係がない。市内通話も国際通話もほとんど費用的には変わらないわけで、世の中の流れに従ってIP電話を売り出すしかなくなっているにもかかわらず、ウチの会社は市内網の会社だから、長距離通話まで無料にすることは縄張りを侵すことになるからできないということのようだ。なんとも日本的な話である。本音と違う建前に縛られ何もできないのだ。いっそのこと分割前にもう一度戻して、1社にしてはどうなのだろう。すでに電話回線だけで食べていける時代は終わっているわけで、電話加入権も廃止したようだし、ネットの常時接続がスタンダード化する中、電話回線の時間貸しの発想時代にマッチしていないことは明白なのだ。もう一度、日本の未来を担う通信会社として原点に戻り、時代のニーズに合った通信会社として再スタートすべきなのではないだろうか。通信費が世界一安い最も先進的な国として再デビューできれば、幻想となってしまったハイテク国家・日本がよみがえり、国際経済にもよい影響を与えると思うのだが…。こんなことを書いておきながら、私自身、困った問題に直面している。一昨日の夜から急にADSLが使えなくなったのだ。サポート担当はモデムだ、回線異常だ、NTTの問題だとそれぞれ判断がまちまちで、結局、調査などで10日間ほど時間がかかるという回答に落ち着いた。ということで、現在、ADSL12Mからいきなり56Kのダイヤルアップ接続という悲惨な状態にある。何年か前にはこれでホームページを見ていたと思うと、時代の変化の速さに驚くが、もう元には戻れそうもない。今度は電気のコンセントからネットにつながるようになるらしいし、無線LANもどんどん進化しているわけで、通信会社は時代のニーズについていくのがますます大変そうだ。(K