■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2005/02/03


いつから国会生中継を観ていなかっただろうか。TVニュースで国会での答弁が映し出されることは多いが、最近話題のNHKで延々と映す国会生中継をしばらく観ていないことに気づいた。観ていて面白いものではないし、楽しい気分には決してならないことも確かだ。だいたいが、腹立たしい気分になって、耐え切れずにチャンネルを変更するのが常だった。最近、ラジオを朝の通勤時に聞くようになった。最初は、FMを聞いていたが、毎日アナウンサーが変わり、あまり朝向きとは思えない人選があったりするので、いつの間にかAMのNHKになってしまったのだ。まさか自分がNHKのラジオを朝から聴くようになるとは思ってもいなかったが、やはり歳なのだろうか、自分の好みの幅が狭くなってしまったようで、どうしても無難なNHKのようなちょっとスローな感じのプログラムが毎日聴くのには合っている感じがしている。その朝のNHKラジオで、先週から午前9時になるといきなり国会中継に切り替わるのである。TVと違って声だけの質問と答弁を聴いていると、色々気が付かないことが分かってきた。いかに野次を飛ばしている議員が多いことだろう。いかに揚げ足とりの発言が多いか、いかに同じことを何度も繰り返し答弁をしているか、日本国憲法も古くなって見直しが必要だと言われているが、それより以前にこの国会のシステムや政治のシステムを見直して、もっと効率のよい、発展的な姿に変えるべきではないかと思える。たぶん20年前の国会中継を観ても今とほとんど変わらないのではないだろうか。野党からの質問は総理大臣の失言の攻撃や揚げ足とりばかり、周りの議員は無責任な野次を飛ばし、政権を替えないと日本の将来はないと、同じことばかりを繰り返しているだけだ。国会で決めることは最初からすでに決まっていることで、単なる儀式にすぎないわけで、お役人が作り上げた法案を議員があーでもないこーでもないと色々言うが、予定通りに法案が国会を通過していくわけで、縁の下の力持ち的な存在である一部のエリート官僚が結局日本を動かしている構図は変わらない。どこの国でもこの構図は同じなのかもしれないが、日本の場合は政党政治がすでに崩壊しており、さらに古い政治システムが同居しているために完全に閉塞状態に陥っていることは明らかだ。政治家なら誰もがこれに気づいているのだが、誰もどうすることもできず、結局は国会で野次を飛ばすのが唯一の仕事になっているのではなかろうか。人気が最近低迷してきた小泉総理だが、自民党解体だけでなく国会システムそのものを解体してくれたら、後世に偉大な総理大臣として記憶されるのだが…。それにしても、日本の国家予算は一般会計予算で約82兆円(平成16年度)。その内訳は税収などで約45兆円、残りの36兆円が国債発行などの借金というから、ホントに日本は大丈夫なのかと思ってしまう。借金の残高合計は約480兆円(国民一人換算で378万円の借金)という天文学的な数値になっている(1万円札を積み上げた場合の高さ4,830kmで富士山の1,300倍、エベレストの約500倍)。480兆円って、返す気あるとは思えない数字なんだけど、本気? 普通の家庭なら、完全に破産状態なんだけど…。99年以降、債務残高は先進主要国の中でもダントツのワースト1位で、他の主要国がすべて債務を減らしている中、日本だけ唯一大幅な増加傾向であり、米国に次ぐ経済大国と呼ばれた頃もかつてあったが、今は先進諸国の中で最悪の経済状態のようだ。どうするの? ニッポンよ! 国会中継をまともに聴いていると、日本の将来がますます不安になってくるようだ。(

 

 

 

 


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