■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2007/02/08


最近、家電製品と呼ばれるものに縁がなくなっている。日常使っている電化製品に不満もないし、昔のようにあまり壊れなくなったことが原因なのかもしれないが、最大の理由は興味がなくなったことだろう。もちろん毎日飽きるほどテレビで家電製品のCMを見せられているから、知らないうちに知識だけはそれなりにあるのだが、家電量販店にでかけて買い求める気にはならない。特に必要と感じていないからだ。確かに新型の商品は機能的でデザインもすっきり、省エネ設計、操作性も抜群、いたれりつくせりの商品が登場しているから、触ってみたり実際にデモを見たりすると欲しい気分にはなるのだが、今使っているものがどこか欠陥があるかと言えば、特にないわけで、まだまだ十分動いて活躍しているものを捨てるということを考えると、別に急ぐことはないなという結論に達する。結局のところ興味がないからなのだろう。先日、久しぶりに家電量販店にパソコンの周辺機器を買いにでかけたので、ついでに家電製品を見学してきた。しばらく見ない間に、えらく家電製品の陳列スタイルが変わっていた。最近はとにかく人気の「液晶テレビ」がスペースを取っている。こんなにでかい液晶テレビが置けるほど日本のウサギ小屋と呼ばれる住環境は改善されたのかと疑問に思えるほど大型のものが置いてある。それもシアターシステムとかで、サラウンドのスピーカーシステムもセットになっていたりする。やはり景気のよい人はかなり多くなっているのかもしれない。昔のバブル時代を思い出した。ブラウン管テレビなどどこにも置いていない。数年後にはブラウン管テレビは市場から消えそうな勢いである。反対に、いつのまにか液晶は高額だというイメージもすでに消えている。17インチのパソコン用液晶モニターが2万円前後で買えるなど、4,5年前で考えられないことだったわけで、何でも大量生産されると安くなる。37インチ液晶テレビも17万円台になっていた。但し、よくわからないのだがフルハイビジョン形式ではないという説明だったが、いつのまにかフルハイビジョンという形式も生まれているようだ。さらに売り場を回って驚いたのが、デジタルビデオカメラだった。子供が小さな頃はよく使ったビデオカメラだったが、飽きてしまい全然撮影しなくなった。いくら撮影しても、それをゆっくり再生して楽しむという余裕というか、これも結論は興味がないのだ。その当時でもちょっと古いタイプだったカセットテープタイプのハンディカムと呼ばれるカメラだったが、最新のモノは、60GBハードディスク内臓の450グラム超軽量ビデオカメラで、ビデオというよりはPDA(Personal Digital Assistant)に近いイメージで、パソコンやテレビと連動させて使うスタイルだ。DVDビデオも注目されていた時期があるが、やはり本流はハードディスクなのだろう。カセットもディスクもやはり一過性の流行だったようだ。すでにテレビにハードディスク内臓タイプが登場しており、家電のすべてにHDD搭載という時代がきているのかもしれない。そのHDDがBluetoothや無線LANなどで通信ネットワークで結ばれ、キーボードのないパソコンが家電をコントロールする次の世代に向かっていこうとしているようだ。面白い現象だとは思うのだが、どんどんと古いものが簡単に捨て去られ、忘れ去られるだけで、エントロピーはますます増大し、地球温暖化に貢献する生活を強いられ続けるわけで、このままの成長路線ではまずいと気がつき始めているのだが、果たしてこの成長路線を止めることはできるのだろうか?…(

 

 

 


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