■よりみち〜編集後記

 


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更新日2009/02/12


「セレブ」という言葉がいつの間にか不思議な外来語の一つとして定着してしまったようだ。本来は、「セレブリティ(Celebrity)」=著名人・名士、メディア露出の多い有名人のことを指す英語なのだが、いつも間にか、「金持ち、優雅、高級」などの意味合いで使用され、単にお金を持っていそうとか、育ちがよさそうというだけで、「セレブ」という呼称でまとめてしまう呼び方になってしまったようだ。本来の意味でセレブなはずのTV露出の多い俳優や芸人がセレブと呼ばれているかというと、意外にそうでもなく、どちらかというと「シロガネーゼ(白金地区に住むマダムたち)」のように、ちょっとおしゃれでゴージャスな服装を好む一般人を呼ぶケースが多いようだ。どうもこの「セレブ」という言葉は、1990年代に突如出現した謎のセクシー姉妹である「叶姉妹」から使われだしたようだ。あの独特の上流階級風の世間離れした言葉遣いやゴージャスな衣装で登場し、セレブとの交流自慢が繰り広がられ、一気にセレブブームが起こったようだ。「セレブ犬」が話題になったり、ちょっと贅沢をしたり、ちょっと着飾る様を「プチセレブ」と言ったりするようになって、完全定着したようだ。
昔からの言葉で言うところの「成金」趣味を現代風におしゃれにした感じなのだろうが、違うのは侮蔑的な表現であった「成金」が、どちらかというと憧れ表現の「セレブ」に変わってしまったことだろう。「成金」の時代には庶民からは彼らは疎まれていた存在だったので、その成金趣味はお金持ちの密かな楽しみだったはずで、あまり世間に晒さない奥ゆかしさがあったはずなのだが、セレブと呼ばれ始めた昨今では、TV番組の覗き趣味的な企画が増えたこともあり、堂々と私生活を公開し、そのセレブぶりの自慢合戦が始まり、誰もがセレブ生活を夢に描き、せめてプチセレブでその気分を味わいたいと高級志向が加速しているように思える。これもまた、今思うと金融危機が起こる前兆現象だったのかもしれない。成金は所詮バブルな存在であり、誰もが大金持ちの生活ができるはずがないわけで、これからはかつてのセレブの没落ぶりが話題になってTV番組となるのかもしれない。
それにしても、日本語には不思議な外来語が多すぎるのではないだろうか。本来の意味では通じない日本語化された言葉(通じない日本式外国語と呼ぶようだ)がこれほど多い国があるのだろうか。ちょっと思い浮かべるだけで「タレント」「アパート」「ベッドタウン」「ナイター」」「バイキング」「フロント」「コインロッカー」「リモコン」「パソコン」「オブザーバー」「ナイーブ」「バリアフリー」「ノーマライゼイション」「リベンジ」などなど、本来の意味から派生した意味で間違って使用していたり、全く新しく英語風の言葉を造語してしまった言葉など、生活の中に溶け込んでしまっているために、いまさら変更することもできない言葉として定着してしまっている言葉も多いようだ。ネイティブの人には恥ずかしいことだが、すでに一人歩きを始めている言葉なのだからあきらめてもらうしかないようだ。思えば、海外で日本語としては意味不明の言葉が書かれたTシャツなどを平気で着ている人がいて、ちょっと驚いたり恥ずかしかったりすることがあるのだから、そんな感覚だとあきらめてもらうことにしよう。 (

 

 


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