■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日


更新日2004/03/11


スペインのマドリッドで起こった同時多発列車テロの犠牲者の数がどんどん増えている。現時点(11日深夜)、173人が死亡、600人が負傷となっているが、まだまだその被害者は増えるのかもしれない。当初、ETA(バスク祖国と自由)の犯行だという報道がされていたのだが、ETAがこのような連続型のテロを引き起こした例は少なくなにか違和感があって、 先ほどネットで確認してみたところ、ETAの政治部門であるバタスナのオテギ党首という人物が、地元ラジオに対して、「仮定の話としても、ETAの犯行だとは考えられない」と話しており、アラブ抵抗勢力による活動の可能性があると語っているようだ。9.11の同時多発テロの時と同様に早朝であること、無差別であること、やはりどうもまた奴等が動き始めたように思えてくる。ジェット機の次は列車、そして今度は・・・というテロに対する恐怖感をあおる作戦なのだろう。この悲惨な出来事に対しての怒りや悲しみは一体どこにぶつければよいのだろう。罪のない人々を無差別に殺戮してなんの主張になるというのだ。単に混乱させ、恐怖を植えつけることが奴等の目的なのだから、騒げば騒ぐほど奴等の思う壺になるのは分かってはいるが、犠牲者やその家族の悲しみや怒りはどうしたらいいのだろう。次はドイツ、イタリア、日本へと忘れた頃にテロはやってくるのかもしれない。少なくともその可能性があることは今回の事件が予告している。今、安全な国ってどこにあるんだろうとふと思った。外務省が「海外安全ホームページ」で渡航の安全情報を発表しているが、この国は安全ですよと言い切れる国はすでにないのではないか。かつては日本がそうだったのかもしれないが、すでに安全神話は崩壊した。なかなか安心して暮らしていけない時代がやってきたようだ。(