■よりみち~編集後記

 


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更新日2005/03/24


ブリジット・ジョーンズ。この名前を聞いただけでニヤリとする人たちがいる。本場のイギリスでは超有名で、「笑っちゃうような失敗」を「とってもブリジット的(very Bridget Jonesy)」と言うそうだ。『ブリジット・ジョーンズの日記~きれそうなわたしの12か月』( シャロン・マグワイア監督作品、レニー・ゼルウィガー主演)を観てきた。この「ブリジット・ジョーンズの日記」の第2作目をどうしてもチェックしておきたかったのだ。同名の小説が世界的なベストセラーなのだそうで、イギリスの新聞のコラムに連載されて爆発的なヒットになった小説の映画版である。今度は小説が読みたくなっている。きっと映画よりも面白いはずだ。ただ、映画としてもとても優れた作品だと思える。ブリジット・ジョーンズ役のレニー・ゼルウィガーがとにかくはまっている。イギリス人だとばかり思っていたら、なんとテキサス生まれの生粋のアメリカ人で、他の映画にも出ていた。ただ、容姿が違いすぎて分からなかったのだ。それほど、レニー・ゼルウィガーはブリジット・ジョーンズになりきるために努力していたのだ。まるで、ロバート・デ・ニーロのように、役になりきるために9ヶ月間ケーキなどを食べ続けて体重を6Kg増やし、クインーズイングリッシュの特訓を積み、ブリジット・ジョーンズの職業であるジャーナリストの勉強のためにお忍びで出版社に勤務して実際に仕事をこなし、完璧なブリジット・ジョーンズになっていた。イギリスの伝統?芸である「ミスター・ビーン」の流れをくむような「予定の笑い」が随所に見られ、女性版ミスター・ビーン的な要素もあり、誰もが自分の存在と重ね合わせて同化できてしまう愛すべきキャラクターに、いつの間にか「がんばれ」と応援してしまうのだ。ストーリーもベタでそんなのありかよ的なもので、B級作品なのだが、すべてブリジット・ジョーンズだったら赦せてしまうわけでとても不思議なコメディ映画である。ただ、ブリジット・ジョーンズは今回で結婚が決まってしまったので、ハッピーエンドでストーリーが終わってしまったようなので、ちょっと残念である。これでブリジット・ジョーンズの姿が観れなくなると思うととても残念である。結婚後のブリジット・ジョーンズというのも観てみたいものである。その他の映画としては『ナショナル・トレジャー』(ジョン・タートルトーブ監督作品、ニコラス・ケイジ主演)も、なかなか見応えがある作品に仕上がっている(脚本がうまい)のだが、どうもニコラス・ケイジがトレジャーハンターの素質があるようには見えないのが最大のミスキャストだろう。これがレイダースのハリソン・フォードであったなら、もっと説得力があったかもしれない。『ロング・エンゲージメント』(ジャン・ピエール・ジュネ監督作品、オドレイ・トトゥ主演)も力作として十分評価できるだが、『アメリ』とは違ってテーマが戦争なので悲惨すぎることが問題で、やや難解な謎解きのような気分に陥ってしまった。この映画にフランス映画史上最高額の撮影費を費やしたらしいが、ちょっともったいないと思えた。そんなにお金をかけなくても「ブリジット・ジョーンズ」的な映画はできるわけで、つくづく映画の質は制作費の大きさに比例するわけではないことを感じた。(K

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO
03/24/2005更新済み