■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2007/03/29


4月8日、4月22日は統一地方選挙とのことで、東京都知事選挙や各県知事、各地の首長など、日本全国のほとんどの代表が決まるようだ。今年の(最近こればかりかな)争点はやはり財政構造改革と天下りや談合などの時代遅れの旧体制からの脱却がテーマとなっている。小泉元首相の効果なのだと思うが、その昔であれば、財政改革とか談合排除などのお題目が叫ばれようとそう簡単に改善されることなどありえないとあきらめていたのだが、実際にそれを問題はいろいろとあったが公約どおり実行し、ある程度の効果や実績が残されたため、本気でやればできるということが証明され、もう爺さん代議士の保身や利権を守る動きもおおっぴらにできない状態になってきた。平成になってやっとまともな論議が出始めた(それでもまだ抵抗勢力は生き残りをかけて最期のアガキをしているようだが…)のだが、夕張市の例に漏れず、すでに地方財政も国家財政もガタガタで、日本が借金地獄で首がもうすぐ曲がらない状態にあることを誰も否定できない状況になってきている。日本の借金の試算は約775兆円らしい。(出典:HARVEYROAD JAPAN)1年に5兆円づつ増加しており、国民1人の負担額を試算すると1,650万円になるというのだ。絶望的な数値である。マスコミは夕張市の財政破綻ばかりを取り上げているが、すでに日本自体が夕張化しているわけで、「国債」発行というマジックを使って、問題の先送りをしているだけにすぎないわけで、地方の厳しさはマジックとなる地方債はもう発行の限界に到達していて、国も認めないからだろう。1秒間に16万円近い借金が増える現実を誰がつくったのか。明らかに高度成長時代を含めビジョンのないその場しのぎの財政しかしてこなかった政治家たちであり、私利私欲に現を抜かし、利権づくりに没頭してきた官僚たちである。また、そこには“くさいものには蓋”をし、植木等じゃないが、「わかっちゃいるけど、やめられない」と、無関心を決め込み、見て見ぬふりをしてきた無責任時代の国民がいたわけで、結局、誰も悪い人がいないというのが平和な日本の姿のようだ。今年は大事な統一地方選挙だと言われても、立候補する人たちの顔ぶれを見渡しても、戦う前からいくら能書きを並べても、この膨大な気の遠くなる借金の額を見れば、半分結果がわかっているわけで、真剣な議論など無駄で、果たしてどうやって当面やりくりできて、せめて借金を増やさない政策ができるかどうかしかないわけで、我々は大変な時代に遭遇してしまったようだ。こんな時代だからこそ、今までの金銭的な価値観を見直し、文芸復興など文化的な方向にシフトさせて、新しい価値観を作り上げていくしかないように思うのだが、果たして日本はそこまで持ち堪えられるのか心配だ。(K

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO