■よりみち〜編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日


 

 

 

 

 


更新日2006/04/27


先週のつづきになるが、ネパールの市民がついに立ち上がった。50万人もの市民がデモに参加したというからすごい。首都カトマンドゥーに集結した市民の映像がニュースで流れたが、ネパールを旅したことがある人なら、誰もが信じられない光景だとコメントするはずだ。首都とはいえ、空港に牛が放牧されているようなのどかな田園都市で、とても50万人のデモ行進など想像できない。それほど、今回のギャネンドラ国王に対する不信感が大きく、誰もが黙っていられなくなった結果なのだろう。結果としては、ギャネンドラ国王のTVで敗北宣言とも言える議会復活の約束と新憲法制定を認め、国王の専制政治がひとまず終結したことになる。これだけの市民パワーがあるとは驚いた。ただ、大勝利と言って喜んでいられない事情がネパールにはある。ネパールの農村に深く入り込み、すでに一部の地域の自治権まで掌握している反政府武装組織である「ネパール共産党毛沢東主義派」(中国政府は勝手に毛沢東の名前を使っていることに不快感を示しており、中国共産党とはなんら関係のない組織だと弁明しているようだ)の存在がここにきてさらに大きくなってきているからだ。このギャネンドラ国王の劣勢の機会を利用して一気に国王を追放して共和制まで民主化をすすめるシナリオがすでに動き出している。国王の次はマオイストである。武装闘争という過激な行動に出るのは間違いなく、首都さえも占拠してしまう可能性もあるだろう。元はと言えば、このマオイストの暗躍に手を焼いた国王が、民主化路線がマオイストの温床になっていると判断して、軍隊による強硬な姿勢で対応しようとしたことから始まっているわけで、武装派の共産党を果たして議会に取り込んでいけるかどうかにかかっている。下手をするとアルカイーダのような過激派と結びつき、かつてのアフガニスタンのような状況にならないとも限らない。少なくともネパールはモスリムとのつながりは希薄なので、アラブゲリラが流れ込む危険は少ないのが救いでもある。ギャネンドラ国王が敗北宣言をしても、まだまだ今後が心配な状況が続きそうだ。(

 

 

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