■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

更新日2003/05/15

週末を利用して、姪っ子の顔を見がてら姉の家に泊まりに行ってきた。姪っ子はこの1月に2歳になった女の子だ。「こだわりの2歳児」とはよく言ったもので、こだわるというかエンドレスというか、飽きるってことを知らない。最新式の「せんせい」を使ったお絵かき遊びに端を発し、「わんわん」だの「にゃーにゃー」だの「ぞうさん」だの「おはなちゃん」だの「ぱぱちゃん」だの「ままちゃん」だの、さんざん描かされたのがやっと終わったと思ったら、「ぺろぺろキャンディーをくれるクリーニング屋さんごっこ」「ドーナツ屋さんごっこ」「ミルクと紅茶を入れてくれるようにお願いするよう要求されて、レンジでチンしたのをエンドレスに飲まされるごっこ」、ベビーブックを最初から最後までめくってはキャラクターやイラストを指差し確認。「これなぁに」「これだぁれ」、そんで最初のページに戻るごっこ、飛び出す絵本式になってる郵便ポストに手紙を入れ、次のページをめくって手紙を取りだし、返事をまたポストに入れ、ページを戻して返事を受け取り、ひたすらアンパンマンとバイキンマンが手紙をやりとりするごっこなどなど、「いつ飽きるんだろかなーコレ」とこっちが不思議になるくらいにリクエストが続くこと続くこと。姉に言わせると、「あんた自身が新しいおもちゃなんですわ」。あー、なるほどね。日々成長するのであろう乳幼児、こんなの見てると育児日記を付けたくなる気持ちがよくわかる。(北村


先日、千葉県にある佐原市にでかけた。佐原は小野川を中心に江戸から明治にかけて水運業で栄えた一商業都市。「水郷の小江戸」といわれた時代の風情が現在もその町並みに残っていた。荒物屋で竹製のカゴを買ったら、「店の2階でコーヒーでも飲んでいってください」ということになり、好奇心につられてホイホイと2階に上がった。どんな渋い部屋がでてくるのかと思ったら照明やテーブル、花の生け方に至るまで非常にモダンな内装だった。江戸時代の終わりに建てられた建物らしいので、天井や壁はさすがに修理が入っていたものの、古い板を組み合わせて作ったローテーブルの上には絣の布地で作ったテーブルセンターが置いてあり、手すきの和紙を組み合わせて作られたランプシェードには柔らかい灯がともっていた。また、他の店では古い欄間を壁に飾ったり、天井に吊って蛍光灯を隠すなど、おもしろいアイデアをたくさん見ることができた。古いものと新しいものをうまく融合させた生活、こういうものになんだかココロ惹かれる今日この頃。愛用のロシア製トイカメラでいろんなものを撮りまくってきた。ちゃんと撮れていますように。(志岐


最近、マナーというものを理解できない人が増えているようだ。こんな説教じみたことを言い出す自分に戸惑いを覚えるのだが、単に年寄りになったからばかりではないと思っている。最近の非常識やマナー違反の傾向はちょっと異様に思えるのだ。すでに日常化していて、誰もが目にする光景として、電車の中で人目もはばかることなく携帯電話でバカ話(これは間違いない!)に興ずる女子高生?の姿があって、不快だが言っても無駄なので我慢している人がほとんどだ。ところが先日、電車内で勇気ある中年オヤジに遭遇した。私の隣りの席で携帯電話で延々と大声で話している女子高生がいて不快に思っていたのだが、目の前に立っていたサラリーマン風オヤジが突然、「いいかげんにしろ!」と怒鳴ったのだった。女子高生は特に驚きもせず、「うざいオヤジがうるさいから切るね…」と言って、オヤジをにらみつけながら携帯電話をポケットにしまった。意外に素直なので、助かったと思っていたのだが、しばらくして今度はオヤジの携帯電話が鳴ったのだ。当然、オヤジは電話には出ずに、伝言メモかマナーモードに切り替えるとばかり思っていたら、着信番号を確認すると、ごく自然に電話で話し始めたのだ。びっくりしたのはその女子高生も同じで、「なんだよ、あんたも携帯切りなよ!」と怒り出した。それに対してオヤジの言い分がすごかったのだ。「おれのは仕事だからいいんだよ!バカ!」。それを聞いた周りの乗客がそろってオヤジを見たが、オヤジは全く気にすることなく、仕事らしき話を携帯電話で続けるのであった。とても悲しいことだが、もうこの国ではマナーという幻想に頼る時代は終わったのかもしれない。マナーを守ってもらうには罰金を課し(タバコみたいに…)、携帯電話を使って欲しくない場所は、電磁波シールド(パナウェーブみたい…)を使って、携帯電話を使えなくするしかないのかも…。と言って嘆いている私自身、電車で携帯の電源を切ったことがないよな…。(