■よりみち〜編集後記

 


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更新日2009/05/21


新型インフルエンザがついに日本上陸である。時間の問題と言われていた通り、神戸での第一号を皮切りに大阪・八王子・滋賀・京都と、どんどんと感染が拡大してきている。すでに9都府県で5,000校近くが臨時休校・休園しているようだ。ただ、幸いなことにウィルスの毒性が弱く、既存のインフルエンザと変わらないようで、相当運が悪くない限り死に至るような状態にはならないということが判ってきたからそれほどの危機感はないようだ。これで新型用のワクチン製造が間に合えば、猛威を振るうと想定されている今年の冬場の流行もさほど心配することもないかもしれない。これが当初心配されていたように毒性が強烈なウィルスであったら、今頃はゾッとする事態となっていたことだろう。世界的な経済危機に加え、強毒性のインフルエンザの大流行となれば、かなり世の中暗いことばかりで、精神的に落ち込んだ人々があふれ、うつ病が蔓延して自殺者がさらに増加していたのではなかろうか。
それにしても、この経済の落ち込みはいつまで続くのだろうか。先の見えない状態はそう簡単には終りそうもないようだ。6月末の決算月を前に発表される大企業の業績予想の下方修正は半端ではない数字ばかりで、ジワジワと本格的な大不況の足音が近づいているようにも思える。不動産業界などでは、まだまだ悪い話はこれから始まると言われ、来春の3月末あたりで、辛抱の限界がやってきてバタバタと倒れ出す企業が増えてくるという話もあり、こういう時こそ政治の出番なのだと思えるのだが、絵に描いた餅ばかり発表して、お茶濁しで急場しのぎをしようというのがミエミエの政策で、全くと言ってよいほど古い昔ながらの自民党体質に変化はないようだ。
追加経済対策として約56兆円を計上して、初年度に赤字国債発行などで借金してでも15兆円を投入するための法案を強引に通過させようとしているのだが、誰が見てもこれは怪しすぎる。予算規模だけ決めて、後は走り出してから考えるという発想は、官僚が最も得意とすることで、結局のところ、そこら中の官僚の天下り先に資金をばらまき、辻褄だけをしっかり合わせた決算書の山が積み上げられ、アウトソーシングした見栄えのよい事業報告書の書籍の山が省庁に納入されるだけのことで、高級官僚の退職金の裏金作りのための法案のようなものになってしまうだけだ。無駄をなくすための官僚制度解体どころかその反対で、より利権にしがみつく官僚をのさばらせ、官僚機構を強固にする機会を与えてしまうだけではないだろうか。
今回のような未曾有の経済危機に対しては、経済システム自体の改革と金融制度の改革なしには景気の立て直しはあり得ないと思えるわけで、無駄遣いと怠慢が制度化した官僚主義がなくならない限り、日本そして世界の再生の道は開けてこないことは判りきったことのはずなのだが、まだその制度の維持と存続を助けようとしている政治家が大勢を占めていることにあきれるばかりだ。高級官僚にやりたい放題させ、裏金として抜かれ放題される前になんとか民主党に政権交代を実現してもらいたいものだが、これまた小沢元党首と一緒に綱渡りを決めたまま選挙に臨むようだから、なんとも危うい状態である。何か一つでもスキャンダラスな事件が起これば総崩れに陥ることは必定で、今はただ、マスコミに小沢さんが露出しないことを願うばかりである。(K

 

 


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