■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

更新日2003/06/12


さすがにジュンブライド(6月の花嫁)の月とあって、週末は友人たちの結婚式ラッシュ。それにしても結婚式ってのは各人の個性が出て面白い。先日出席した式では、花婿の親父さんがエレキギター片手にシャウト、アントニオ猪木のかぶりもので友人たちが暴れ、テツ&トモからのメッセージなんかもあってなかなか楽しめた。でも一番よかったのは、新郎新婦が自分たちが生まれたときの体重と同じ重さのウェイト ・ベアを両親に渡すときだったなー。あぁ、ひとごとながら三十路前、涙腺もゆるくなってきているのであります…。(瀬尾


よく考えてみると、映画の誕生は1895年の「シネマトグラフ」(仏)といわれているから、まだ100年ちょっとの歴史なのだ。絵画や音楽などの歴史に比べると、まだ生まれたばかりの幼児に近いのかもしれない。映画が新芸術とか、第七芸術とか呼ばれてきてはいるが、映画全般を芸術だとするのは無理がある(ちなみに第一は建築、第八がテレビだそうな)。ひどい駄作のどうでもよいような映画もあれば、あるシーンが頭に焼きついて離れない印象深い作品があったり、観る人の嗜好や考え方によっても作品の価値が全く違う。まだ100年なのだ。実験段階なのだ。フィルムだって数年先には完全デジタル化する可能性もあるし、CGによる映像技術もさらに進化するだろうし、発展途上の芸術なのだ。どんどん試行錯誤してもいいのだ。でも最近の過剰と思えるCGテクニックを礼讃する動きにはどうも違和感がある。確かに映像として美しいと思うし、その技術のすごさには驚くばかりだが、ジェットコースターと同じように、乗っているときだけなのだ。そのジェットコースターの感覚が最高と言う人も多いし、遊園地のアトラクションのような存在としてはそれなりに価値がある。でも、ジェットコースターに飽きたら、次はバンジージャンプしか残っていないではないのか…?。やはり映画ファンのオヤジとしては、映画は「こころ」に響くものであって欲しいと思うのだ。こころを「揺さぶられ、洗われる、暖かくしてくれる」、そんな映画がやはりイイ映画だと思うし、お気に入りのシーンがしっかりと刻み込まれる。つい最近もB級映画(この定義も難しいが、大動員を狙っていない、またはとても狙えない映画のことかな?)で、こころに響く映画があった。ジャック・ニコルソン主演の「アバウト・シュミット」だ。とても若いカップルには勧められる作品ではないが、40歳以上のちょっと人生に疲れた人にはおすすめ。また、B級映画といえば、ちょっと古いが、観ているだけで癒される「山の郵便配達」(監督:フォ・ジェンチイ/1999年/中国)もホッとしたいときに是非おすすめしたい。(