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■よりみち~編集後記



更新日2025/08/14 




7月20日の参議院議員選挙、8月3日の横浜市長選挙と、私の中でまだ選挙が続いている感じと、もう何ヵ月も前に終わっている感じとがないまぜになった感覚で、ただただ選挙の虚しさだけが残ってしまっています。ひょっとして、「リベラル」という言葉が死語化していく過程を今見せられているのではないかという感覚もどこかにあるのかも知れません。「時代が変わった」と言われ続けていますが、ホントにガラッと変わる瞬間が2025年という年に始まったのかもしれません。今まで信じていたことが意味を持たなくなる感覚、理想としていた政治理念や世界平和、そして明るいはずの未来などが、「そんなことまだ信じてるの?」「そんな夢物語に意味あるの?」「現実はそんなに甘くないネ」「そんなもので自分をホントに守れる?」と言われている感じがしています。

この違和感はすでに末期の安倍政権時代から始まっていたのだと思います。それが決定的になったのは、やはり第一次トランプ政権のトランプ登場からだと思います。人種差別主義者であり強硬な右翼政治家であることは有名でしたが、最初の登場はソフトタッチでした。当然再選されると本人も支持者も思っていたようですが、民主党のバイデンに敗れてからトランプは本性を現し始めました。支持者を扇動し、なりふり構わず反対勢力を攻撃し、ついに大統領に帰り咲きしました。その後のやりたい放題はもう書くまでもありません。暴君と言われようが独裁者と言われようが気にする素振りは少しもありません。もう誰が何を言おうとも止められないのです。今トランプ大統領が恐れているのは、ディールの結果によって経済発展が止まることがバレることです。アメリカ第一主義が否定された時にトランプがどう動くのか、それが一番の心配事です。

今回の参議院議員選挙では、与党である自民党も公明党も議席を大きく失い過半数の125議席に3議席届かない結果となり大敗となったのですが、3議席という数値は予測以下でもっと大敗して、野党が大躍進するかと期待していましたが、結局のところ野党第一党である立憲民主党の議席は伸びず前回と横ばい状態の22議席で、これは自民党を追い詰めるどころか、野党第一党としての地位も危ぶまれる状況で、有権者は立憲民主党にもNOを突き付けたことになります。それに代わって躍進したのは国民民主党で、改選前の4議席から4倍以上の17議席。「日本人ファースト」でSNS戦略を駆使した参政党は、議席ゼロからいきなり比例7、選挙区7の合計14議席と大幅に伸ばし、存在感を急速に高めてきています。明らかにトランプ政権のアメリカ第一主義に便乗した戦略で右翼系の無関心層をSNSで掘り起こし、投票率も6%アップさせたのもこの戦略の成功からではないかと推測されます。

一方で、今回の参院選では、「チームみらい」の安野貴博の出馬が、私にとっては久々に期待の星が出現した感じがしていました。かつて山本太郎が2019年の参院選で政党要件を満たし「れいわ新選組」の代表となった時のような「れいわフィーバー」がSNSで広がりをみせたように、「チームみらい」の出現が若い有権者にインパクトを与えるだろうと予測していました。結果としては、比例区で安野貴博党首が1議席を確保し、得票率の2%以上を確保して政党要件を満たすことに成功し、目標であった国政政党「チームみらい」が誕生しました。AIを使って永田町の政治システムをアップデートすることを期待しています。まずは国会の運営のデジタル化を早々にやって欲しいですね。国会議員の全員にセキュリティ万全な小型タブレットを配布してペーパレス化し、投票もすべてタブレットで実施するシステムにして欲しいものです。そんなもの配ったら、本会議でゲームで遊ぶ議員が出てくるという反対意見もあるが、配布するということはすべてデータは記録され、公開されると分かっていたら誰もそんな馬鹿な真似はしないはずです。AIを使った行政書類や申請システムなどの全国統一もそんなに時間はかからないと思えます。爺さん議員の反対も必ずあるかと思いますが、世界的な標準にかなり遅れを取っている日本の行政システムや政治システムの原因がその無理解と保守性であることを世界の事例を説明して説得するしかないでしょうね。

横浜市長選挙では、とても残念な結果に終わってしまいました。現職の山中竹春氏(66万票)が2位の田中康夫氏(26万票)に圧倒的大差をつけて再選されました。電通との癒着問題、浜弁業者との癒着問題、一回目の当選時の公約がほとんど実行されていない件や浜弁と言われる中学校の給食供給の一元化推進の問題点など、ネットを検索すれば現市長の山中市長の問題点や記者の質問に真摯に回答しない姿勢など多くの批判が出ているにも拘わらず、自民党横浜支部と手を組み、浜のドンと言われる横浜経済界の重鎮である藤木幸夫氏を取り込み横浜市の経済界とも手を組み、選挙協力を約束させることに成功したようです。その選挙対策は、実にシンプルで、ネット関連のメディアには露出せず、インタビューも討論会にも不参加。貝のように閉じ籠もって、市政の批判や質問にも答えず逃げ回り続けました。それが功を奏したのか、投票率は7.41ポイントも下がり41.64%と、さらに現職の山中市長を助けることになってしまったようです。やはり自民党や企業による組織票が選挙には強力な武器になることを改めて知らされました。2回目の横浜市長選を闘った田中康夫さんは孤軍奮闘して全選挙区をこまめに回り演説を繰り返していましたが、なかなか声が市民にまで届かなかったことがとても残念です。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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