■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2005/08/18


お盆休みを利用して襟裳岬を回るドライブツーリングにでかけた。北海道生まれなのだが、意外と道内の観光地は知らない。車で回るしかないわけで、ヒマができたらなどと考えるうちにえらく歳を重ねてしまった。今回は高校2年の時に友人4人で出かけた道東ドタバタ旅行の終着駅だった釧路を再訪することにした。その途中にまだ行ったことのない襟裳岬をめぐるコースを考えた。札幌から地図でたどると、半日コースのように思えた。この思えたというのがいつもまずいことになるわけで、車ではほとんど遠出をしない上に、道路をよく知らないということを計算に入れていないわけで、さらに車の運転が好きではないわけで、えらく疲れるということを想定していなかった。天気は快晴、ドライブも気持ちよく、途中、意外な場所に手打ちそば屋を発見してのんびり昼食を楽しんだりと、車ならではの気ままなツーリングだったのだが、地図を読み間違い苫小牧の石油コンビナート地帯に迷い込み、えらく時間をロスしてしまい、襟裳岬の風の館に到着したのは5時近くになってしまった。このへんでちょっとまずいなと思い、ゼニガタアザラシの観察もそこそこに、釧路を目指してスピードをあげた(途中の街道で覆面パトカーに止められている車を2度目撃。見せしめのためなのだろうが、北海道の国道を60キロ以下で走るということに無理がある)。さすがに北海道はお盆のピークシーズンでも車の渋滞はなく、快適に飛ばせるのだが、あたりが暗くなってきて疲れも出始めた。アクセルを踏み続けている右足がつらい。やっと釧路市内に到着したのは午後8時半で、結局10時間近く車を運転していたことになる。翌日は朝から右足がだるく、とても市内観光の気分にはなれず、フィシャーマンズワーフ「MOO」だけ覗いて郊外の釧路湿原展望台へ。ところが市内を出るのに大渋滞となり、さすがに観光客が多い。帰路は阿寒経由で山道を最短コースで札幌に戻るコースを選択。この季節はバイクツーリングがやたら目立つ。特に阿寒方面が多い。バイクライダーにとっては北海道の山道は最高に気持ちよいのだろうが、車からすると、峠道などは実に怖い存在だ。そして、別に興味はないが松山千春オフィスがある足寄(アショロ)という町で手打ちそばの昼食(太くて硬めの田舎風そば)。さらに山道を進み占冠(シムカップ)といういかにもアイヌっぽい名前の町で小休止。そこで魔が刺した。地図上ではちゃんとショートカットの国道が存在しているので、夕暮れも近いし、距離は短い方がよいと迷わずその近道を選んだ。ところが入り口に、「工事中につき一部砂利道となります」という注意書き。道路工事中のところだけ砂利道なんだなと思っていたら、延々と砂利道が続き、次第に渓谷に入り、相互通行ができないダートコースになった。対向車が来ると路肩に止まってやり過ごす。前に車が走ると砂利道の土埃が舞いあがり、前方の視界はゼロメートル。ライトを付けても前が見えない完全な山岳ラリーのコース状態が果てしなく続く。おまけに夕暮れが始まり、時々差し込む太陽がまぶしくて、道路が見えなくなる。30分以上続いたこの砂利道を脱出した時には、黒い車体が土埃で覆われ、一般道を走るのがちょっと恥ずかしいほど汚れてしまった。恐るべし北海道の国道。道路公団はこれ以上道路を造る必要はないだろうと思っていたのだが、それは大きな間違いであった。まだまだ北海道には手付かずの山道が残っており、やはり道路整備は必要である。午後7時にやっと炭鉱で有名な夕張に到着し、「ユウパロの湯」でツーリングの疲れを癒すことができた。この日も11時間近く運転していたわけで、改めて北海道の大きさを再認識した。(

 

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO