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■日本の政治が明らかに劣化している。この傾向は世界的なものかもしれない。イデオロギーの根本となる思想や信条、主義や主張が形骸化して、その基本となる民主主義や自由と平等の尊重すら危うくなってきていないだろうか? この傾向は今始まったことではない。すでに十分すぎるくらいの時間をかけて人々を洗脳してきているようにさえ思える。それがやっと危険信号として顕在化したのが、「参政党」の跋扈ではないかと思える。リベラル勢力がこぞって危険視し、問題にしているのだが、全くの馬耳東風、ほとんど反論もなく、矛盾点や勇み足も無視、どんどん党則も変え修正し、更に過激化していくのだろう。その基本となっているのが「日本人優先」「日本人ファースト」で、移民制限・外国人生活保護の停止・土地購入の制限などを打ち出しており、一方では、積極財政・消費税ゼロ・教育国債・地方支援など、財政出動型の経済政策は、従来の左派的視点に近く、「中道・ポピュリズム」の右派でも左派でもない第三極を目指す存在となっている。矛盾だらけの政策や思い付きで話してしまった「核武装は安上がり」発言など、既成政党であれば大問題となり、責任が追及される事案でも、個人的な見解で党とのすり合わせが出来ていない状態で逃げられる風土がすでにあるのも強みの理由だろう。アメリカのトランプ政権をかなり意識した政策が今後も繰り出されることになりそうで、正に日本の政治の危機的な状況に近づいているようだ。
■そして、長らくすぐに止めろ、いや止めない、止めさせないと揉めていた自民党石破総裁が、菅元首相と小泉進次郎議員の二人から引導を渡されてついに辞任会見を開き、新総裁選挙が10月4日(月)に決定。またもや国民は置いてけぼり状態が続いている。あの選挙前の消費税減税やガソリン暫定税率の廃止、そしてすぐにでも動くと言っていた一時給付金支給の話は一体どうなってしまったのか? 選挙に負けると約束は反故にされるのか? 政治家がウソをつくのは今始まったことではないが、選挙公約に掲げた一時給付金まで支給しないというのは詐欺行為と同じだ。
■その新総裁選挙の候補者、小泉進次郎(44)、高市早苗(64)、林芳正(64)、茂木敏充(69)、小林鷹之(50)の5名だが、自民党が惨敗し解党的出直しを図るために起死回生の政策をぶち上げられる人たちにはとても思えない見慣れ過ぎたメンバーで、従来通りの自民党の派閥政治の繰り返しはすでに明らかだろう。なぜに自民党は衆院選に引き続き参院選でも惨敗となったのか、たぶん中学生にでも答えられるはずだ。不透明な政治資金の問題なのだ。誰でも同じ指摘ををしているのに、当事者である自民党議員からは誰一人として政治資金規正法の改正や企業献金の廃止について、自分の意見を述べる者がいないのである。問題の核心である政治資金パーティー(企業献金の裏金問題)における政治資金収支報告書未記載事件(議員の脱税疑惑)で、自民党がやったことは派閥の解消(麻生派は残存)ぐらいで、形式的な手続きのみというのが実情で、はっきり言って全く何にも変わっていないし、システムを変えるつもりがないことは明らかだ。自民党が存在しているのは企業献金による政治資金(裏金含む)があるからで、企業献金による自民党と経済界との癒着が日本の古い政治体質を醸成している。
■特に問題なのが、2000年から禁止されている政治家個人へ直接献金を行う企業献金で、以前から再三指摘されている通り、政党支部を通じて政治家に還流させるシステムや「政治資金パーティー」のチケット購入という形式で個人献金に見せかける手法など、すでに公然の秘密の抜け穴だらけの状態で、間違いなく企業から直接政治家個人に献金が入り癒着が進行している。自民党=金権政治はこの抜け穴システムが改善されない限り永遠に続くわけで、「解党的出直し」にはこの金権政治からの脱皮が不可欠なのだ。今回の総裁選でも、誰一人としてこの企業献金問題に一言でも触れる候補者はいないはずで、泥船状態の日本はどこまで持ち堪えられるのかかなり心配になってきた。(越)
 
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