■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2006/09/28


ことはMDプレイヤーのMD交換が面倒だと思ったことから始まった。ITはどんどん人間を怠惰にしているかもしれない。その時、たまたま雑誌の広告でデジタルオーディオプレイヤーの1ギガバイトで約250曲録音できるというキャッチフレーズに目が止まってしまった。アップル社のiTuneは便利なので活用させてもらっていたのだが、iPodまでは興味がなかった。と書くとウソになるが、それほど音楽に凝っているいるわけでもないしたまに聞くならMDやCDで十分と考えていた。車に乗るときには音楽が欲しくなるが、それほどカーオーディオに興味がないので、今でもFMラジオ専門だったが、デジタルオーディオプレイヤーでFMトランスミッター機能を使って車のスピーカーで再生が可能だというキャッチコピーにさらに心がぐらっときてしまった。おまけにその大きさたるや名刺よりも小さいサイズで超軽量なのである。250曲といえばCDレコードが10枚分入ってしまうわけで、これはMDやCDの時代ではないなと思い始めたらすかさずオークションで1GBのプレイヤーを探し始めたのであった。1万円弱でシャープ製を落札して、早速使い始めたのだが、これが小さいながらもなかなか便利で、性能も悪くなく、なによりも超軽量というのがメリットだ。ジョギングなどにもよさそうだ。MDのようにカセットの交換の必要がないのがよい。ところがしばらく使っているうちに、1GB、250曲くらいでは満足できなくなってくるのである。人間の果てしなき欲望は永遠に続くのか。1GBにCDレコードを入れ替えたりするのが面倒になるのだ。だんだんと欲求がエスカレートしてくるのだ。今の気分はあのアルバムが聞きたいのだが、どういうわけかそのアルバムだけが入っていないことが多いのだ。そうなると、自分のコレクションをすべて入れて持ち歩きたいというとんでもない欲望が芽生え始めるわけだ。ところが、それも可能なほどITは進化してきている。iPod の最新版では80GBという大容量のものまで出現した。80GBに音楽を入れた場合、2万曲入る計算である。さすがに2万曲ならば一生分のCDレコードが収録できるわけだ。そしてついにオークションで60GBのiPodを手に入れてしまった。60GBだから1万5,000曲である。一生分の音楽はこれで大丈夫そうだ。アップルにはMachintoshでさんざん苦労?させられた(昔はMACしかコンピュータとは認めなかったほどのマック派だったのだ)ので、どうも素直な気持ちでアップル製品に触れないのだ。一度触るとフラッシュバックのように、マックの禁断症状が出るかもしれないという先入観があるのだ。それほどマックのデザイン思想には惹かれるものがある。だから、できるだけマック製品には近寄らないようにしていたほどだ。今回、久々にアップル製品を使うことになったのだが、ちょっとヤバイ感触である。これだけシンプルに、これだけ使いやすく、全く無駄のない洗練されたデザイン、考えつくされた機能性、やはり人気が出るのは当然だろう。もともとWindowsが大嫌い(たぶんビル・ゲイツが嫌いなんだろうね。彼には哲学がないからね。最近、慈善事業に凝っているらしいが、罪滅ぼしに見えてしまう)だったのだが、MacOSXあたりの大混乱にマックのビジネスマシンとしての展望のなさに嫌気がさして、嫌いなWindowsマシンに鞍替えしただけで、特に操作性などではMacOSにかなわない部分が今でもある。デザイナーがWindowsOSを使いたがらない理由のひとつはその微妙な操作性の問題があるのだと思う。要は繊細さに欠けるのだ。誤差の範囲がアメリカっぽく広すぎるのだと思う。これは考え方の違いだから、永遠に変わらないのだと思う。iPodを買ってしまったことから、またマックに戻りたくなるのではないかと思いちょっと怖い。しばらくはIT時代の大人のおもちゃ「iPod」にはまり込みそうである。(K

 

 

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