■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2004/10/28


不幸は忘れた頃にやってくるというのは、どうも本当のようだ。新潟中越地震の被害の大きさに唖然としてしまう。神戸の大震災は早朝だったから、その被害の大きさが瞬時に伝わってきたが、今回の新潟の場合は午後6時と夜だったから、震度6強という大きさの割にはそれほど大きな被害ではないのかなと錯覚してしまった。それは通信も交通もライフラインのほとんどがダメージを受けていて情報が集められなかっただけだったようだ。翌朝のニュース映像を見て、とんでもない錯覚だったことを知らされた。すでに被災者の10万人以上の人が避難民となっていて、家に戻れない状態が続いている。海外と簡単につながるような携帯電話時代なのだから、国内で通信が使えないというのがちょっとショックだ。地震で携帯電話用のアンテナがやられたからだそうだが、それにしてもこのモバイル時代に村や町が通信不能で孤立してしまうのはちょっと悲しい。携帯電話に殺到してパンクしてしまうから規制せざるを得ないらしいが、それならば公共で使用する緊急用の番号登録をして、その番号は規制をかけないとかの工夫があってもよいのではないだろうか。NHKのラジオだけが唯一の情報源だったというから、まるで戦時中の話のようだ。また、3日間も停電が続くと携帯電話の充電ができないため使えないという話も聞いた。パソコンもインターネットもライフラインもすべて電気がなければどうしようもないわけで、いかに電力が大切かが分かる。超寿命の小型電池や液体電池が早く開発されないことには、本物のITの時代は来ないように思える。昨日10月27日に4日ぶりにがけ崩れに巻き込まれた車両から救出された2歳の子供の奇跡の生還はとても感動的だった。誰もが生存は考えられない崩落現場からしっかりと目を見開いた男の子が助け出された瞬間は、1985年の御巣鷹山に散った500人乗りのジャンボ機の残骸から12歳の少女が助け出された時のような、生命力の光のようなものを感じた。冬がくる前に被災地に平穏が戻ることを祈るばかりだ。(

 

 

 

 


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