■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2004/11/04


今日は、アメリカという国の不気味さを本気で感じた。この国が世界のリーダーシップを取っていると言われており、実際、この国もそれを誇りとして、世界を守るのはアメリカの使命だと、国連でも声高に強調しているほどだ。しかしながら、その使命感はあくまでもアメリカ人だけを守るという意味であり、また、彼らの世界とはアメリカ人だけの世界で、自分たち以外の国や人々は眼中にないことが、今回の大統領選挙でとても明確にされた。もちろん、このことは以前から言われていたことで、アメリカの保守的な人々の中には危険な排他主義が根強いことはよく知られていたこと(KKKなどがその典型)だが、今回のようなイラク戦争の正当性が問われた選挙において、僅差とはいえ、かの呪われた大統領がまた再選されるということは、他国の人々には信じられないことであり、いかに保守的で盲目的なアメリカ至上主義者が多いかを世界中に露呈したわけだ。これがアメリカの真実なのかと思うと底知れない不安を感じる。拳銃の個人使用の規制がこの21世紀になっても未だに強化できない国、人種差別のない自由な国と言われながら、未だに黒人やマイノリティばかりが戦場に送り込まれている国、そしてさらに今回、狂信者ブッシュを再選した独り善がりの国という最悪のレッテルが貼られてしまうことになって、これからどうするのだろう。たぶん、その答えは「お前たちには関係ない。ここはアメリカなのだ」と言われるのだろう。世界が反米か親米かの踏絵の時代になりそうだ。今回のブッシュVSケリーの支持地域を色分けしてみると、西海岸と東海岸、それにミシガン湖周辺の工業地帯のケリーに対して、保守色の強い南部と中西部のディープ・アメリカをブッシュが守りきったという構図で、アメリカの中でもはっきりと2分化されていることが分かる。9.11の悲劇を体験しているニューヨークの市民はほとんど反ブッシュであり、なぜブッシュを選ぶ人がいるのか理解できない人も多いようだ。海に近い地域が反ブッシュで、内陸になるほど親ブッシュになる。やはり外国に近い地域の方が現実的な認識が強く、内陸にいくほど宗教的にも保守的でアメリカがやることはすべて正しいというアメリカ至上主義が強いと言うことなのかもしれない。次の選挙までは世界の保安官気取りのブッシュと狂信的なアメリカ至上主義者のやることを黙って観ていなければならないと思うと、かなり暗い気持ちになってしまう。あと4年間は世界的な政治の空白が訪れ、それに呼応するように世界的なテロ集団や反米勢力が地盤固めをする期間になるのかもしれない。(K

 

 

 

 


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