■よりみち〜編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日


 

 

 

 

 


更新日2009/11/19


民主党政権になって初めて実施されている行政刷新会議の「事業仕分け」の報道をTVで観ていると、とても不思議な気分で、どこか違和感がある。一番不思議なのが、仕分け人と呼ばれる民間人がいつの間にか決められていたことだ。民主党内部(というよりは小沢幹事長の独断のようだが…)で、新人議員は経験不足という理由で仕分け人には不適格だと、急遽除外され34名がいきなり7名になってしまったが、民間人の選出基準や経緯が全然知らされずに、いきなり本番の席についている感じがする。それなりに経験豊富で選出された理由がある方ばかりなのだろうが、本来であれば事前に発表して経歴や選出理由が公開されるべきではないかと思える。次に、なぜ1つの事案に1時間なのだろうかということだ。数十億規模の予算についての判断を1時間程度の議論で凍結や廃止を簡単に決めてよいのかという疑問である。すでに4日間の合計で約1,500億円となったという報道があり、すぐさまこれが決定されるものではないらしいが、ほぼ削減が決定された状態のはずである。民主党の憶測では無駄な国家事業が3兆円近くあるはずとのことだから、4日で1,500億円だと3兆円までは気が遠くなる棘の道が待っているようにも思えるし、現実的な目標値とは言えないだろう。ただ、この事業仕分けは来年度や将来の日本のためにも、じっくりと腰をすえて徹底的に議論して無駄な事業を廃止し、天下りシステムの根っこを断ち切る必要があるのではないかと思える。これからの事業仕分けの進展が大いに心配になる。
それにしても、各省の官僚たち(と言ってもここに登場するのは会計担当課長程度だろうからまだまだ官僚としては木端役人なのだろう)が公開の場に引きずり出され、弁護士もいない一方的な裁判が行われている姿を観るのは初めてなので、こんなリンチみたいなことやってよいの? とか、それはちょっとやりすぎでしょうという場面の映像を見せられると、これは民主党政権になったからやれる見せしめパフォーマンスではないかと思えてしまう。反対に、いまこそ腐敗しきった官僚主義の牙城を叩きつぶし、血税の使い道を正常化するための最高の舞台のようにも思えるわけで、なかなか複雑な気持ちだ。冷静に考えてみると、今回やっている国家事業の再審査をやらなければならないことが大問題であり、審査してみたら無駄だらけで、官僚の天下りのためのシステムのための事業も多く、そこに血税が使われる構造汚職が伝統化していることが諸悪の根源なのだ。自民党政権時代にも、財務省が各省庁から出される予算案に対して、審査・決定してきたのだから、この無駄だらけで国民を愚弄する官僚システムが敢行されていたわけで、結局のところ財務省の怠慢の結果とも言えるのではないだろうか。民主党政権になってからも、その財務省スタッフが中心になって事業仕分けが議論されていることに問題はないのだろうか。民主党政権も、すでに財務省に牛耳られ、官僚システムの解体どころか、財務省の巨大化を助けているだけになりかねないと指摘する元官僚出身者の発言もあり、官僚を血祭りにあげても、またトカゲのしっぽのように新たな官僚が新しいシステムを構築して、いつの間にか強大な新官僚システムがつくられるのかもしれない。それでいて、官僚の知恵抜きの政治家集団だけで、このとんでもない官僚システムからの脱却を図ることができるかといえば、それは困難だろう。だから、本物でピュアな官僚を選び出し、しがらみなどから解放し、国家利益のみを優先する本物の官僚システムを政治家と一緒に創り上げるしか道はないだろう。それには手垢に汚れていない若くて純な官僚を選出して自らの官僚システムを解体させるしか方法はないと思える。 (

 

 


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