■よりみち~編集後記

 


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更新日2008/11/27


また嫌なテロ事件がインドのムンバイで起きてしまった。100人以上が犠牲になったようだ。ムンバイでタージマハールホテルといえば、日本で例えると東京の帝国ホテルやホテルオークラが爆破テロのターゲットになったようなイメージで、外人観光客の拠点的な存在で、その風評ダメージの大きさは計り知れないものがある。少なくても数年は海外からのムンバイ観光は大打撃だろうし、アメリカから始まった金融危機の影響で、次の投資先がIT先進国であり、急激な経済発展を遂げているインドが注目の的となり、日本企業や海外の大企業がこぞって押しかけていただけに、そのショックはかなり大きいはずだ。テログループはその現況を見据えて、冷静沈着に計画を進めていたに違いない。10箇所で同時に銃の乱射や爆弾テロを起こすというのは、準備する方からすると人員的にも予算的にも相当な規模でなければならないはずだ。単なるインドの反政府ゲリラの計画とは思えないものだ。そしてターゲットが外国人ビジネスマンや観光客を狙っていることが、よけいに不気味である。どうしてもアルカイーダ系のテロを連想してしまう。この事件で旅行業界は真っ青になっていることだろう。これからクリスマス・正月シーズンの最も忙しくなる時期に、海外旅行のキャンセルが相次ぐことは明白で、原油価格も下がり、円高による海外旅行ブームも起こりつつあった矢先のことなので、これはショックが大きいだろう。旅行業に従事する友人が多いので、この仕打ちに対してちょっと同情してしまう。
個人的には、ムンバイはヤジキタ新婚旅行?で過ごした思い出のある街の一つで、インド門近くのタージマハールホテルにはもちろん泊まれるほど裕福ではなかったが、旅一番の贅沢をと考えて、ちゃんとジーンズに靴を履いて(さすがにビーチサンダルでは失礼な雰囲気)インド料理のレストランでインド定食の「ターリー」とインドの古典舞踊を堪能した思い出深いホテルである。あの由緒正しき美しい建物から爆破による火が出ているTV映像を見て愕然とした。精神的なショックを与えて打ちのめすことがテロの最大の目的だとすると、今回のムンバイでのテロは世界的に大打撃を与え、その効果は充分すぎるものだろう。しかしながら、テロによってイスラム過激派は何のメリットが得られるというのだろう? 今以上に善良なるモスリムがテロリストとして疑われ、さらにモスリムが孤立していくだけだと思えるのだが……。武力による楽園建設などあり得ないことはすでに歴史が充分教えてくれているはずなのだが、狂信者には何を言っても無駄なのかもしれない。 (

 

 


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